事件後一時は母親を保護していたが母親はその後統一協会に戻ったと報じられている。ネット上では母親についても高学歴だったとされている。
28日の記事に書いたように、オウムの場合もそうだったが、高学歴でモノの善悪が判りそうな人でも、そういう人からの正しい説得を受けても、なかなか解けないのが洗脳の怖さだろう。
統一協会からの脱会を支援しているキリスト教の牧師・村上密氏の解説を摘んでみると次のようなことが参考になる。
● 聖書の創世記の権威を盾に人の原罪を説き、すべての財産を神に戻す「万物復帰」を信じ込ませる。
● 特に戦前戦中の歴史と重ねて、エバ国家・日本の日本人はアダム国家・韓国にどこまでも献金して仕える使命があると強調する。
● 不安や悩みを抱えるターゲットを勧誘し相談に乗るふりをする。
● そこで得た個人の情報を「霊能者」に引き継ぐと、先祖や家族について次々と言い当てる「霊能者」に驚いて信じ込む。
● 「先祖や遺族が霊界で苦しんでいる」「○○を買わなければ今現在いる親族等が益々不幸になる」とさらに不安に陥れ、高額商品を買わせ献金をさせるようにする。
● こうして全財産を捧げて自己破産しても、親戚などに無心してでも献金する。そういう苦労や例えば教祖が指定した韓国人との集団結婚で生活が破滅しても、その苦しみが「救い」だと狂信しようと自分を追い込む。
宗教の信仰には合理的でない論理の面もあるとしても、以上のような統一協会の行為は宗教を利用した犯罪行為でしかない。
ネズミ講(マルチ商法)や出資詐欺など、世の中に悪徳商法は山とある。そういう輩は自分の嘘を隠すために政治家を広告塔に利用しようとする。暴力団も同様のことを試みる。だから広告塔にされた政治家や芸能人で法的にも社会的にも罰せられた人は多い。
現職時代、「この育毛剤はよく効く」「知り合いが買ってくれたら手数料が貰えるんだ」と普通に語っていた人がいたが、皆から「正真正銘のマルチ商法やないか」と言われてもなかなか理解できない様子の人がいた。しっかりしたポジションの人だった。そんな危なさがあるからこそ、広告塔の責任は重い。
広告塔こそ、山上容疑者の家庭破壊の準主犯かもしれない。そんな不幸や人生破綻の修羅場が各地で数多く生まれたのである。
「知らなかった(この言葉も嘘だろう)」では済まない。統一協会問題は徹底的に明らかにさせなければならない所以がここにある。
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