2022年8月2日火曜日

セミとキリギリス

   イソップの寓話が元々は「アリとセミ」だったのだが、ヨーロッパの北部にはセミがいないので、伝搬と翻訳の結果「アリとキリギリス」に改変されたということは先日記述したが、未明に近い早朝に散歩したりするとキリギリスが鳴いていて、真昼間から深夜まで鳴いているキリギリスこそ年中遊び惚けていたというあの寓話にぴったりだと感心していた。

 さて、写真はクマゼミを私にとまらせて孫の夏ちゃんが撮ったものだが、その鳴き声の大きさ比べでは数多の昆虫界の中で格段にセミが一番だと思う。元気なクマゼミのそれは、一匹でも人間に恐怖感を抱かせるに十分な声の(正しくは声ではないが)大きさだ。

 で、やっぱり「アリとセミ」が正解だと思ったりした。

 よく、ある種の難聴を「セミが鳴いているよう」と言われたりするが、この胸にとまったクマゼミの声ほどのものだとするとそれは耐えがたいものだろうと、以前からジーっと小さなセミを耳の奥で聴きながらそんな恐怖を思った。

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