2022年8月12日金曜日

精霊飛蝗

   精霊飛蝗(ショウリョウバッタ)、その名は、一般的にはお盆の頃に出現するからと言われているが、私の小さい頃、慶応生まれの祖母は「お盆には昆虫採集をしたらアカン」「昆虫は(特にトンボは)先祖の魂や」と言っていたから、昔の人は、この大型でそれでいてけっこうどんくさい昆虫は精霊だと信じていたのかもしれない。

 別の名はコメツキバッタであるから、その連想からも人間に親しみのある昆虫ではなかったか。

 ウンカや外国のサバクトビバッタのように数を頼んで作物を全滅させたりはしないから、イネ科の害虫であるにもかかわらず大規模な駆除の話はあまり聞かない。

 「先祖の祟りじゃ」と脅すカルト教団がいま問題になっているが、日本の仏教的精神では害虫でも精霊になったりするから、そういうおおらかさを大事にしたいものである。

0 件のコメント:

コメントを投稿