2022年7月17日日曜日

人の死を政治利用する国葬に反対

   わきまえない人がいる。やっていいことと悪いことがある。人の死に臨んで多くの人々がわきまえて礼儀を尽くして哀悼の気持ちでいるところを利用して、自分自身につながる政治の評価を国家の定説にしようとするのは、良識ある市民としてやってはならないことである。
人の死の政治利用である。

 それは自民党内の非岸田派の多数である元安倍派であるいわゆる右派(当人たちは「保守派」と称している)に「いい顔」をして支持を得ようとする姑息な計算かも知れないが、それはさておき、

 岸田首相は安倍元首相を「国葬」とする理由について
 「卓越したリーダーシップと実行力で内閣総理大臣の重責を担い、東日本大震災からの復興、日本経済の再生、日米関係を基軸とした外交の展開等の大きな実績を様々な分野で残し、その御功績は誠にすばらしいものがある」と述べている。

 岸田首相は、その安倍元首相の内政・外交政策について、基本点を継承することを言明しているのであるから、いわば、三段論法的に、岸田政権の政治を全面的に礼賛することとなっている。このロジックは極めて卑怯でもある。

 今の時点で安倍政治の全面的な批判は控えても、安倍政権の残した負の遺産は数え上げてもきりがない。百歩譲って、このように国民のなかで評価が大きく分かれている安倍氏の政治的立場や政治姿勢を、国家として全面的に公認し、国家として安倍氏の政治を礼賛し、ひいては自政権を賛美することは全く容認できない。

 言いたいことは山ほどあるが、今般の銃撃事件は政治テロでもなんでもなく、霊感商法や集団結婚式等で批判のあったカルト教団である旧統一教会によって家族や人生を狂わされたとする信者の家族が、旧統一教会やフロント団体の広告塔であり政治的庇護者と理解された安倍晋三氏を恨んで犯行に及んだものであり、その事件性そのものには国葬に値する性格は何もないどころか、安倍氏の政治姿勢そのものに倫理的疑問符を残すものである。あえて言おう。安倍氏によって自死を選ばされた赤木さんのことを想起するだけでも「国葬」の不当性は明らかである。

2 件のコメント:

  1. 全く同感です。安倍氏の国葬には反対します。国会で嘘をつきとおし、統一教会の反社会活動を擁護し広告塔となり、日本国民が統一教会によって多大な被害を被っているのに、総理として最長の期間を誇る政治家として何の規制もしなかった責任は重い。統一教会は吸血鬼ドラキュラのような組織だと思う。ドラキュラに嚙みつかれた人が吸血鬼となり、他の人を吸血鬼にしていく怖ろしい組織だと思う。統一教会は宗教団体ではなく、霊感商法などを行う反社会集団ですから、ただちに、宗教法人を解散させるべきだと思います。(弁英)

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  2. 弁英さん、コメントありがとうございます。こういう謀略組織を「宗教組織」と言うのは真面目な宗教者にとっても迷惑この上ないのではないでしょうか。霊感商法などの人権侵害は何十年も前から報じられていましたから、本来オウム真理教のように各種法律で取り締まれるべきでした。それが野放しにされ被害者が増え続けたのは、選挙の人手、集票、謀略ビラ、資金などで大いに癒着した自民党政権、特に安倍晋三をはじめととする右翼保守派の面々のお陰です。さらに維新、国民、立憲の議員も多かれ少なかれ参画していることも忘れてはなりません。「国葬」に反対しない議員は脛に傷を持つ者でしょう。

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