2022年7月15日金曜日

100歳の誕生日

   1922年(大正11年)7月15日に創立された日本共産党が100周年を迎えた。
 100年というと、ソ連共産党や中国共産党が数々の間違いを犯して科学的社会主義から逸脱していった中で、それがどれだけ日本国内の反共宣伝に利用され、実際に効果を発揮してきたことかと思うと、まさしく風雪1世紀という感じがする。

 だから、そういう中で、私も「党名を変えたらどうか」と考えたことがなかったかと言えば嘘になるし、世界的にも流行のように党名が変更されたり解党した共産党(国)も少なくない。

 よって、内田樹氏が述べておられるとおり、そういう下で、発達した資本主義国で100年間も同じ名前で活動してきた日本共産党は、まさしく学問の研究対象と言えよう。
 私の実際に見てきたのは60年安保後のことになるが、ソ連共産党とも中国共産党とも大論争を行ってきた日本共産党の路線のことを、反共の人士や無責任な評論家?は「自主孤立」などと揶揄したものだが、その自主独立路線は文句なく正しかった。それは世界史的な素晴らしさだ。
 とは言え、今般の選挙でも課題は大きく多いし未消化であることも間違いない。

 さて13日、東京地裁は福島原発事故に関わって東京電力旧経営陣に対して13兆円超の賠償命令を下した、
 『原子力事業者には最新の知見に基づき万が一の事故を防止する義務がある。
 長期評価は相応の科学的信頼性があり、津波対策が必要であった。
 水密化対策を講じていれば事故を防げた可能性は十分にあり、不作為との因果関係が認められる』という論旨で緻密に構成された判決で、日本国民全体が卑怯で腐ったわけではないことを改めて示したものだ。そこのところは大いに確信にしたい。

 セミは10年近く地中で過ごしてからいよいよ羽化をする。再出発を思わせる。つまらぬ例えかもしれないが一喜一憂しないという格言を思い起こさせる。

 早朝散歩をしたらクマゼミの羽化に巡り合った。翅の美しさが印象的だった。
 セミの再出発が次の1世紀への第一歩という今日(こんにち)と重なり合って見えた一瞬だった。継続は力である。

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