週刊文春のオンラインニュースによると、ある懲戒解雇事件について東京地裁は3月18日、「懲戒権の行使に客観的な合理性はなく、社会通念上相当性を欠く」と原告の訴えを認め、被告全面敗訴の判決を言い渡した。
その被告とは、全国約8万の神社を束ねる総本山、宗教法人「神社本庁」で、裁判の最終準備書面では「(敗訴すれば)包括宗教団体としての組織維持ができなくなる。被告は、伊勢神宮や皇室と密接な関係があって、いわば『日本の国体』の根幹を護っている最後の砦である。(中略)決して裁判所が日本の国体破壊につながることに手を貸す事態があってはならないと信じる次第である」と主張したらしい。まるで戦前の軍部の亡霊を見ているような、背筋の寒くなる主張である。
そもそもこの裁判は、神社本庁の元部長が内部告発を理由に17年8月に懲戒解雇されたもので、その内部告発というのは、「神社本庁が15年10月に1億8400万円で売却した職員寮が即日転売され、後に3億円以上に値上がりした疑惑が発端で、元部長らは同様の案件が複数あり、売却先が同じ不動産業者で随意契約だったことを問題視。『不当に安く売却したのは背任行為に当たる』などとした文書を配布したことことだった。
週刊文春によると、内部告発で「疑惑の張本人」と名指しされたのが、神道政治連盟の打田文博会長で、神政連は日本会議とともに、憲法改正を目指す安倍晋三前首相らの活動を支えてきた団体である。
その打田氏とともに神社本庁執行部を総長として率いるのが、田中恆清氏で、異例の総長4期目に突入し、内部では「打田―田中体制」(同前)と評されているらしい。
しかし、不動産取引疑惑以外にも不倫スキャンダルなどが相次ぎ、“こんぴらさん”こと「金刀比羅宮」(香川県)のように本庁から離脱する動きも出ている。
文春は、神社本庁において象徴のトップである「統理」の多くは旧皇族らが務め、現統理の鷹司尚武氏も昭和天皇の孫にあたる。だが、その鷹司氏はカネや女性問題ばかりが報じられる田中氏ら執行部に対し、「顔も見たくない」と不信感を募らせてきたと述べている。
こんな面々と金によって憲法改正運動なるものが仕組まれているのだ。それは神道が最も嫌う穢れではないか。地方の神社は、こんな不純な運動と手を切り、村の鎮守の神様として歩んで行ってもらいたいものだ。
春爛漫、朧月夜に犬の遠吠えを聞いた。
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