2021年4月30日金曜日

愉快な公明党

   大阪府池田市の冨田市長(当選時は維新)の公私混同やパワハラ問題がテレビで報じられていた際、どうしてもテレビは「絵になる」報道の仕方をするので『サウナなどの持ち込み』の印象が強いが、私は公権力のポストに座った人間が職員に対して行ったパワハラをもっと重視すべきだと思う。

 私は現職時代、いわゆる過労自殺や業務に起因する精神障害をたくさん担当してきたが、パワハラが労働者の人格を破壊し果ては自殺念慮(ねんりょ)を引き起こす事案を少なからず見てきた。

 カタカナでパワハラなどと言うから理解を妨げている側面もあるが、パワハラとは優位の立場の者から弱い立場の者に対して行われる脅迫、威嚇、侮辱、などなどの人格攻撃であり、人権侵害である。

 池田市議会100条委員会が市職員796人に対して行ったアンケート調査では、パワハラを受けた、見た、聞いたという人が119人も存在した。

 こうして「不信任相当」「刑事告発相当」とする100条委員会調査報告書は公明党も含めて可決されていた。ところが、所属議員や秘書等の不正や犯罪のオンパレードの維新と共に公明党が不信任決議案に一転「反対」に回ったから、事実は三文小説以下に奇異である。

 不信任案採決前の質疑では「公人としての自覚があるなら、即刻辞職していただきたい」(公明会派代表荒木市議)と追及しながら不信任案に反対したのであるから、良識に基づいた市民社会ではこれを「非常識」と言う。

 こんな説明のつかない「非常識」は推測しかできないが、① 市長から議会解散で対抗すると脅されて、宗教行事たる座談会を重ねて洗脳的に選挙活動をすると思われる同党では対応が種々困難と判断した。② 住民投票時と同じ構図で、今年中に行われる衆議院選挙で維新から「公明落選運動的な対立候補を擁立するぞ」と脅されて手を打った。‥というところだろうか。

 新聞では、「緊急事態宣言下で人の流れを作ってしまう(解散・議員)選挙になっていいのか悩んだ」(公明多田市議)旨報じられているが、コロナ対策上非常に重要であった昨秋に大阪府下全域を巻き込んだ住民投票を維新と共に強行した公明党の「どの口が言うか」と開いた口が塞がらない。それが方便なら愉快すぎるぞ公明党。

 方便とは、仏法を説く際の仮の手段と解されているが、この党には、俗世で流布されている「嘘も方便」という言葉がぴったりする。支持者の中にあるであろう常識を信じたいところだ。

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