2021年4月17日土曜日

薄めて6千億倍に増やす

   タイトルに書いたのでクイズにもならないが、妻に「汚染水を薄めて放出するというが、いったい何倍に薄めると言っていると思う?」と問うと、「千倍かな、いやもしかして1万倍?」と返ってきた。このタイトルを見る前に皆さんはどのような感じでおられただろう?  私も妻の答えとどっこいどっこいの感覚でいた。

   14日の記事で私は要旨「トリチウムをWHO飲料水基準の7分の1程度に薄めるから問題ない」というが、毒性×総量の話をしないのは論理のすり替えだと述べた。

 14日付け朝日新聞の報じた数字を用いると、タンク内の水の中のトリチウムの総量は約900兆ベクトルで、東京ドームにあたる125万トンに達している。

 これを無害に近い程度に薄めて海洋放出するというのだが、東電の素案では1500ベクトルに薄めるといい、WHOの飲料水基準10000ベクトルの7分の1の1400ベクトルにとも言っている。ここは1500ベクトルととりあえずしておこう。とすると単純にいって、900兆ベクトル125トンの汚染水を6千億倍に薄めたら、少なくとも現時点の処理水は「排出できる」が、その間に溜まった分はまた残る。とまれ、現時点分で語っても、東京ドーム6千億個分の汚染水を放出するというのである。「量は質に転化する」だろう。

さて、元に戻って、汚染水を6千億分の1に薄めるというのは汚染水を6千億倍の量に増やすということだ。6千億分の1に薄めた汚染水を6千億倍の量放出するのと、元の汚染水をそのまま放出するのは同じではないのか。違いは耳障りだけではないのか。太平洋は広いからそのうちにうやむやにできるということだけでないのか。

普通の感覚から付け加えると、ほんとうの初期は1500ベクトル以下に薄めて放出したとしても、すぐに「こんなスピードでは解消の目途が立たない」とか言って、WHOの飲料水基準10000ベクトルに引き上げようとするのは間違いない。長い間日本人をしていると自公政権のそんな本心ぐらいは読めるもんだ。

「近隣国だって同程度の原発冷却水を排出しているからいいだろう」というのは、幼児が叱られた時にいう「〇〇ちゃんもやってる」という水準のロジックだ。正しくは世界をリードして「これ以上地球を汚さないでおこう」と率先垂範すべきだろう。それに、基本が冷却水であるものと、デブリに直接触れた汚染水とではレベルもそして何よりも量も違う。なにせ東京ドーム6千億個分である。

再度いうが、地下水を土木技術で止めよ。汚染水は保管し、トリチウム除去の技術開発をさらに推し進めよ。トリチウム除去の技術開発は使用済核燃料の最終処分にもかかわる話のため、安価な海洋放出を妨げる技術開発はあえてサボタージュしている恐れがある。政府と原発ムラが呼吸を合わせてサボタージュをして、国民に放出しか、もうどうしようもないという洗脳を擦り込んでいるのではないか。 

最後に、SDGSは全地球人の課題だ。6には安全な水とトイレを世界中にとあり、14には海の豊かさを守ろうとある。それでも海洋放出だろうか。 

原点に戻って問うなら、東京電力の大消費地は首都圏である。原発が安全なら首都圏に造るのが最も合理的である。それと同じような嘘が「飲んでも安全」の主張にはある。きっとある。

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