そういう新年にふさわしい鳥といえば、春告鳥(はるつげどり)ウグイスに勝るものはない。自然界では未だチャッチャッと笹鳴きをするだけだし、だいたい藪から出て姿を見せることもないが、それだけに春の姿はどこにも見えないが、少し先の藪の奥辺りまで来ている気配を感じさせる。
例年今ごろは友人の法華宗系のお寺の節分会の準備で忙しくかつ楽しいものだが、もちろん今年は中止でこれもまた寂しい。その分は、撮り始めをした上の写真を見ながら法~法華経と心で聴くことにする。
〽春は名のみの風の寒さや 谷の鶯 歌は思えど・・
一般に「早春賦」とは「早春の詩」あるいは「早春に詩を作る」の意だと言われたりしているが、そもそもは賦とは古代中国からの文芸で「国誉め」の性格も色濃いと言われる。白川静「字解」では「わが国でいえば土地誉めの文学で、古くは土地の霊を讃えてその霊の力をよび起すためのものであった」というから、早春を誉めることによって春の早き到来を希求しているのではあるまいか。深い根拠はないが私はこの歌にそんな感覚を抱いている。
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