菅首相は1月8日の「報道ステーション」で、今後の緊急事態宣言の延長について問われた際、「仮定のことは考えないですね」と話した。
「仮定の質問には答えられない」という返答は、菅首相が官房長官時代から多用していたフレーズだが、自分に都合のよい?時には、「仮にコロナ禍が続いた場合に東京五輪は開催するのか」という質問に「開催する場合でも、感染対策をしっかり行う。国もそれぞれ職員を出して今、大会に向けて準備取り組んでいます」と仮定の課題に〝開催ありき〟の返答をしている。
そもそも政治家、経営者、各種管理者には広い意味でリスクマネージメントの能力が求められている。当たり前である。
リスクマネージメントとは、損失などの回避を目指すプロセスで、リスクを組織的に管理すること。将来的に起こり得るリスクを想定し、リスクが起こった場合の損害を最小限に抑えるための対応で、事前にリスクを回避するための措置と、起こった際の補償を考えておくことである。
私は現職時代東大阪市で勤務していたことがあるが、下町ロケットで有名な株式会社アオキに対してNASAが東日本大震災を経験して「工場を東西に分散してくれ」と言った話は有名だ。広義の意味でNASAのリスクマネージメントといえるだろう。つまり、将来のいろんな仮定を設定して、いろんなケースに対して危険を回避する想定、方針を考えておくことはリーダーたるものの必須の条件の一つである。
ということは、「仮定のことを考えない」人間はリーダー失格だということである。
このことについて松尾貴史氏が「政治家に必要な要素は色々ありますが、とりわけ想像力が重要なのです。『仮定の質問』に答えられないような無能は、トップに立つべきではないです」「もし現実が想定外になっていた場合に『此処が違う』と説明ができるかどうか。説明する事自体に後ろ向きの彼には、そのことが全くわかっていないのです」「仮定の質問に答えられない無能は、重職に就くな」と投稿したのは的を射ている。
安倍政権の折は「歴史上最低の首相」だと感じたが、上には上がいたものだ。
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