1月24日の赤旗日曜版に、国立感染症研究所所長・政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会会長代理・厚生労働省のアドバイザリーボード座長の脇田隆字氏のインタビュー記事が出ていたので少し面食らった。
というのも、安倍~菅政権のコロナ対策の失政の重要ポジションにいた人ではないかと思ったからである。しかし、政府分科会の尾身会長のようにはメディアにもほとんど登場していなかったから、推測や印象で判断せずその発言をゆっくりと読んでみた。コロナについては既に各所で様々な情報が発せられているから、特に印象に残った個所を記録しておきたい。
氏は、感染拡大の要因は4つあると指摘している。①人口密度、②基本的感染対策の守られ方、③気候、④人の移動、である。
「人の移動」では、国内の都道府県を跨いだ移動歴のある例は、移動歴のない例に比べて2次感染の頻度が高い(2020,12,3)と述べ、GoToは人の移動を促すメッセージになったと認めているようだ。
次に感染力について、「発症する2日前ぐらいからの5日間ほどが非常に感染力が高い」と指摘している。ということは「発症した人を隔離する」「クラスターを抑え込む」戦略では遅すぎることになる。少なくとも、濃厚接触者と認定された人は、その時点では陰性であっても2週間は健康観察をして、外に出ないようにしてもらうことが大切だということになる。
結局政権は、GoToを始めるなど都合の悪いときは専門家の意見を無視し、GoToを中断するときは専門家の意見だというように利用してきただけのようである。
1月25日のJIJI.COMによると、いくつかの各国「延べPCR検査実施率」(総人口の中の検査回数の割合。一部の国ではより簡易な抗原検査なども含まれる)は、香港約74% 米国(加州オレンジ郡の場合)約67% グアム約63% 豪州約45% イタリア約45% スイス約44% オーストリア約44% マレーシア約11% フィリピン約6.5% 日本約4.4%となっているから、検査数(率)だけでは解決はしないだろうが、やはり面で検査を実施し先手の対策を打つことが重要だろう。日本の現状は問題外である。その為にも、保健所等の機能の充実は避けられない。
結局、政権の中の専門家も、じっくり読むと現在の政策を批判しているように見えるがどうだろう。
日本共産党は、第1に、PCR等検査を抜本的に拡充し、無症状者を含めた感染者を把握・保護することを強く求めている。 第2に、医療機関と医療従事者、保健所への支援を抜本的に拡充することを求めている。 第3に、自粛要請と一体に十分な補償を行い、コロナから雇用と営業を守る大規模な支援策を求めている。 そして最後に、事業者や患者などに刑事罰を科す法改正には「感染症対策は国民の理解と協力、補償と社会的連帯で進めるべきだ」と、刑事罰導入案の撤回を求めている。
私は公平に見て、専門家の知見は共産党の政策とシンクロしているように思う。
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