2020年6月7日日曜日

危険な道具

   ボーガンを使った殺人事件が起こり「危険な道具がなぜ禁止されないのか」という声がマスコミによって報じられている。
 私はアメリカでの銃規制の声に賛成だし、日本の現行銃刀法などによる規制にも反対ではない。
 しかし、こういう事件があった場合、度々「危険なものは禁止しましょう」という主張がテレビコメンテーターなどから軽々しく発せられるのは、ほんとうにそれで良いことだろうかという疑問も持っている。

 悪い人間が扱えば危険なモノは世の中にごまんとある。
 魚を突くヤス(モリ)だって包丁だって鎌だって・・・、
 先日亡くなったCWニコルさんが「男の子には冒険をさせるべきだ」という文脈の中で、確か「男の子には猟銃とナイフは教えるべき」的な主張もあったように記憶している。もちろん桁違いの大自然の中を冒険するという文脈でだが。

   そんなレベルとは月とスッポンの話だが、私は今年3年生の孫の女の子である夏ちゃんに手斧(ちょうな)、鉈(なた)、そしてマッチを持たせて使い方を教えている。日曜大工も教えている。
 「危険なモノは禁止しましょう」は少し思考停止のような気がする。
 一切の規制が不要というわけではないが、もっと社会教育の角度から論じられて然るべきではないだろうか。

 閑話休題  手斧や鉈は購入時には刃はついていない。それでも危険と言えば危険なモノである。
 それをヤスリと砥石で丁寧に刃をつけると文字どおり刃物になる。そういう切れ味のある道具で薪をスパッと割ると「仕事をしている」充実感があるし道具の怖さも実感できる。

   手斧(ちょうな)にて枝払え娘(こ)よ夏木立

2 件のコメント:

  1. ジブリ映画「天空の城ラピュタ」の主題歌「君をのせて」(作詞:宮崎駿)の中に「~さあ でかけよう 一切れのパン ナイフ ランプ 鞄に詰め込んで~」というのがありました。少年(少女)が旅立つとき大切なモノなのでしょう。

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  2.  ひげ親父さん、ありがとうございます。私はこの歌詞を知りませんでした。そしてひげ親父さんが「少年(少女)が旅立つとき大切なモノなのでしょう」と解されているのを聞き、納得しました。きっとそうなのでしょう。
     さて、ボーガンによる殺人事件に続いて今度はフォークリフトによる殺人事件が報じられていますが、何処からも「フォークリフトを禁止せよ」という声は上がっておりません。

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