2020年6月9日火曜日

差別問題はこの国にも

   白人警察官による暴行死に端を発した人種差別反対の抗議行動はアメリカ全土、そして各国にも広がっている。
 アメリカの人種差別は、単に所得格差(これはこれで重要な問題だが)に止まらず、理由もなく警察官によって拘束され、命の危険さえも感じる差別が「常識として」存在する故の運動の広がりだろう。

 それは対岸の火事だろうか。
 あまり報じられていないが、日本でも入管施設における差別や暴行は明らかな人種差別の域だという指摘もある。

 そもそも歴史を振り返るとアメリカにおける黒人(アフリカ系の人々)はアメリカ南部のプランテーションの奴隷として「購入され」たもので、戦前の日本の朝鮮人、中国人徴用工と類似している。
 私は、「徴用工問題は朴大統領と解決済みだ」と言って切って捨てる論や、歴史的資料で疑いの余地のない従軍慰安婦を認めない論は、基本的にはトランプと同じ穴の狢でないかと考える。

 中国では香港の民主主義を圧殺する法律がつくられた。国家侮辱罪などは橋下維新知事(当時)の口パク処分を思い出させる。
 
 アメリカの運動に連帯するというのはとても良いことだが、我が身というか日本を顧みて考え行動することも大切だろう。


 39日の記事で、社会心理学者加藤諦三氏の見解を紹介した。それによると、現代社会は人類の「幼児化」がキーワードらしい。
 幼児化とは、心理的に退行することで、それは意識の下に広がる無意識にある心理的な動きで、本人は、自分が退行していることに気づいていないものだ。
 具体的なものの一つに人種差別に似た移民問題がある。
移民・難民の排斥は、「異なる者への恐怖」から、相互理解の努力をせず、ただ、怖いから排除しようという幼児化の動きだ。

 幼児化は、相互理解、寛容、といった、行うことが難しいことを避けることで、自分を成長させないもの、自ら成熟を拒否してしまうものだ。
 では、なぜ、この時代に、幼児化が広まったのか? それは、不安。
 自分の存在を確かめられない不安が、幼児化を作り出したのでは?

 コロナ肺炎では、例えばシカゴでは、人口の30%が黒人だが、コロナの死亡者数は70%に達している。
 新自由主義つまりは「小さな政府」は庶民を切り捨てる政治である。

   中学生あの時学んだ公民権

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