2020年6月21日日曜日

髪切虫

 NHKBSの番組に『クールジャパン』というのがあり、先日、再放送の『日本の名前』という中で”料理の名前”が紹介され、欧米では「何々と何々をソテイした何々ソースあえ」的な料理名がほとんどだが、日本料理には「風呂吹き大根」というような文芸的?な名前があって魅力的だというような会話があった。

   その伝でいくと、英語でロングホーンド・ビートル、フランス語ではロンジコルヌで「角の長い甲虫」。中国でも「天の牛=天牛」という外形に則した名前に対して、その能力に着目して日本人が髪切虫と名付けたというのも少し可笑しい。

 髪切虫の幼虫は鉄砲虫と言って樹木の害虫だし、松枯病などの原因線虫を運んだりするので害虫中の害虫だが、虫捕り少年にとってはなんとなく嬉しい昆虫だ。
 比較的捕りやすい、色や種類が豊富、何よりも恰好がよい、そして掴むとギイギイとロボットのように鳴き、髪の毛や紙をくわえさせると見事に切る。遊んでいて飽きない。

 だから、エゴノキについていても駆除するよりも先に写真を撮ってやろうと思ってしまった。
 正面から撮ったゴマダラカミキリの触角は、羊や牛のホーン(角)というよりも、西洋の童話あたりに出てくる悪魔の角のようにも見えないだろうか。堂に入った悪役である。

   天牛や広域移動は自粛せよ

3 件のコメント:

  1.  連想ゲーム的には天牛堺書店の倒産も書きたくなったが、まとまりがつかなくなるので止めました。

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  2. 子どもの頃、カミキリ虫はカブト虫と並んで強さの象徴でした。カミキリを捕まえ胴の辺りを摘むと何か体中から「はなせ!」といわんばかりのエネルギーを指に感じたものでした。

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  3.  ひげ親父さん、同感です。ある意味ではカブトムシよりも生命力を感じます。
     人間界にはつまらん話も少なくありませんが、自然界は眺めたり捕まえたりで楽しいです。
     天牛の背中に乗って飛んでいきたい衝動にかられます。

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