2020年6月27日土曜日

鯛は頭から

 国会で「鯛は頭から腐る」と言われて顔色を変えて怒った安倍総理だが、その反応は核心を突かれたが故の怒りだったのだろう。
 コロナ問題では先日来、この国では物事の本質的な目的とそのための手段などがひっくり返って論じられることが少なくないと語ってきたが、議会制民主主義も驕れる安倍政権によって同様のこととなっている。

 曰く、「十分に時間をかけて議論を尽くした」という強行採決である。
 到底十分とは言えない極端に短い審議時間。衆院予算委員会などでは「往復」の持ち時間として質問に答えずだらだらと無意味な「答弁」を続けてあえて質問を封じる策。万人が議論不足と認めるような状況を物理的な時間だけで充分だという詭弁。などなどである。

   国会が閉会された今頃なぜこんなことを書くかといえば、つい先日の関電の株主総会に呆れ果てたからである。
 持ち時間「1議案1分」。しかも「それは感染防止の観点」と言うに及んでは言語道断だろう。
 
 私も現職中は審議会などの経験があるし、確かに形式に流れたこともあるが、これほど酷い「強行採決」は知らない。あえていうが関電の株主総会は「強行採決」である。
 いくら経営のことであっても民主社会で守るべき倫理が欠けている。
 「鯛は頭から腐る」そしていま腐敗は全身に及びつつある。

   湿度99%朝から眠い溽暑かな

3 件のコメント:

  1. 今から30年以上前になりますが、私が所属していた役所で関電を調査することになったのですが、極めて非協力であり、かつ、秘密主義な会社だなあとの認識を強く持ちました。
    国の組織でのキャリアとノンキャリアの格差についてはご承知の通りですが、関電は国以上の格差と言うよりも人種差別と言っていいくらいの差がありました。法律に書いてあることすら、関電の都合の良いように解釈していました。その点を指摘すると、以前の担当者に指導してもらい、ペーパーもあると開き直るではありませんか。言ってやりましたよ。そのペーパーを見せて下さい。その担当者を告発しますからと剣幕を出しました。その上、関電には法務部門には大勢の弁護士もいるのだから、私の言い分と以前の担当者の言い分とどちらが正しいか確かめてくれませんかとも言いました。そうしたら、今度は上から圧力がかかってきました。圧力には屈しませんでしたが、公益事業をしているのに、法律を無視するアウトローな会社だなあとつくづく実感しました。昔からこの会社は腐っています。

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  2.  弁英さん、非常に参考になるコメントです。
     古い話をすると若い人には煙たがられますが、戦後のレッド・パージ(違法で強権的な共産党員排除追放)は関電を含む電気産業で一番徹底されました。
     かつて京都の蜷川知事は「反共は戦争前夜の声」と喝破されましたが、レッド・パージは民主主義の弔鐘であったことが明白になっています。

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  3.  関電高浜事件では赤旗もあまり追及しないのが不満ですが、関電がどうして田舎のボスにあれほど脅されて屈服したのかというと、一時代前の部落解放同盟による人権無視の暴力的糾弾闘争があったからです。
     そのことを言うと、関電問題が同和問題にすり替わってしまうから言わない方がよいという意見がありますが、それでは事実、真実が見えなくなります。私は言い続けたいと思っています。

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