2020年6月14日日曜日

ヤマボウシ

   丸い頭に白い頭巾の裾が肩に広がっているといわれれば、なんと上手いネーミングかと感心する山法師。
 昨秋は近江坂本の日吉大社に遊んだが、ここの神輿を都に放り込んで山法師たちが強訴を繰り返した。 
 白河法皇が「賀茂河の水、双六の賽、山法師、是ぞわが心にかなわぬもの」と嘆いたと平家物語にある。
 玄関の山法師がわが玄関だけでなく、隣近所の道路上にまで及ぶ落花狼藉に「わが心にかなわぬものよ」と溜息をつきながら掃除を繰り返している。

   北嶺の山法師に対して南都の僧兵は奈良法師と呼ばれたらしいが、中世の大寺院はちょっとした戦国大名以上の荘園主でもあった。
 国の法秩序などあってなきが如き時代であったから、現代の感覚で私兵だ傭兵だと否定的に語る必要はないだろうが、単なる信仰と勉学の寺院でもなかった中世大寺院の事実は押さえておく必要がある。

 「ハナミズキに似てますね」とおっしゃる方もいるが、それはハナミズキを見て「ヤマボウシに似ている」と言ってほしいと、反”対米従属”の愛国主義者は思う。

   ほんにその落花狼藉山法師

1 件のコメント:

  1.  昨夜は雨と共に風も吹いたので今朝の落花はすさまじかった。
     濡れた落花は道路にへばりづいて難儀をした。
     夫婦でようやく掃き終え、ホッとしてこれを書いている。
     

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