縁は異なもので、チベットに触れる記事が次々と出来上がってしまった。
先日来、中国政府のチベット民族に対する不当な圧力について書いてきた。また渡辺一技さんのチベットについての講演も聴いてきた。
その渡辺一枝さんのチベットの自然紹介の話の中には「ヒマラヤの青いケシ」が登場し、草原を覆いつくす神秘なまでの美しさを話されたので一度は実物を見てみたいものだと思ってきた。
それが、5日の新聞(赤旗)の片隅に「咲くやこの花館で咲いている」とあったので、「これは見に行かなくては」と馳せ参じた。
メコノプシスというこの青いケシは、ヒマラヤから四川省の標高3,500m以上に分布しているらしい。
「ヒマラヤの青いケシ」ということで超有名だが、実際にはチベット辺りがその中心という。
日本ではこの地(大阪・鶴見緑地)であった「花博」あたりで栽培技術が進歩し、今ではいくつかの高山植物園等でも宣伝の目玉になっている。妻は花博のときに見たのを覚えていると言っている。
だから現在ではそれほど珍しいものではなくなっているが、それでも胸が躍るのは、先日来のチベットのことは横に置いておいても、若い頃読んだ「山と渓谷」や「岳人」のヒマラヤ紀行文にこの花園が別世界のように紹介されていたからだ。
ナムチェバザールなどという地名を聞くとワクワクする。
2番目の写真の、旗のような祈祷旗・タルチョーには経文が書かれていて、風にたなびく度に読経したことになるという。
こういう光景も、チベットからモンゴルにかけてテレビでおなじみの光景で、昔はラマ教と言われたりしたチベット仏教の信仰・習俗である。
余談だが、四天王寺さんの山門の転法輪もマニ車の変形であろう。
こうして、ほんのわずかだがチベットの空気に触れてきた。
そこは高山植物のエリアであったから、コマクサ、クロユリ、エーデルワイスもあり、周囲は凛とした空気に満たされていた。
そして、ちょっと厳粛な気持ちで青いケシを見た後で、熱帯エリアでフィロデンドロンギガンテウムという「トトロの葉っぱ傘」を撮って帰ってきた。
熱帯の温室では、まったく厳粛な気分にならなかったから、気分・感情に与える気候の影響は馬鹿にならない。我ながら、根が厳粛とは程遠いなあと反省している。
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