2023年7月2日日曜日

ジャーナリズムとは

   マスメディアは聖人君主である。だから有名な女優の不倫など「人の道に外れている」と徹底的に弾劾する。
 しかし大手中の大手芸能事務所前会長による青少年に対するセクハラ犯罪は何十年にわたって許してきた。
 それはスポンサーというよりも「同じ業界」=ムラの中のかばい合いであり、メディアもその利権「共同体」の一員であるからである。

 西欧ではテレビ(放送)と新聞は経営が分離されていると聞く。情報の寡占は有害だという考えによる。しかし日本ではその種の哲学がないまま放送と新聞が全く一体となって経営されている。
 そういう下で経営から独立したジャーナリズムが存在するためには賢明な読者が必要だが、そういう世論が巨大メディアによって誘導されるのだから気が重くなる。

 そういうことでいえば、在阪テレビ局がヨシモト興業の株主であり、そのヨシモト興業が大阪府や大阪市と業務提携をしていたのでは、マスメディアが府や市の暴走を止められないどころか、積極的に権力をヨイショする愚行の原因も納得がいく。

 そういう中、7月1日付け朝日朝刊はキラリと光っていた。
 大阪万博の海外パビリオンの建設申請がゼロだと報じている。海外パビリオンがゼロでは恰好がつかないから今後多額の予算が追加されることだろう。仏の顔も三度という言葉があるが、庶民は何回騙されたら気が付くのだろうか。それを考えさせるこのトップ記事は意味がある。

 二つ目の記事は「マイナカード返納相次ぐ」だ。世論の感情を率直に繁栄はしている。
 しかし問題は「不安」だけではない。
 現状の健康保険証で何の不都合もないこと、マイナカードは任意だと表明しながら健保証を人質にとる卑怯。それに、IT化の鉄則は、例えば「パスワードはまとめるな」というほど「情報は分散させろ」が鉄則なのに、独裁国家並の個人情報の集中を計るのは問題が多いこと、さらにドイツやフランスなどでもそういう国民総背番号制は否定されていることなど切込みは弱い。

 現状を人は、「赤旗と週刊文春がなければ真実が見えない」と冗談めかして語っている。
 頑張れ、大手メディアのジャーナリズム。
 


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