その日、遊歩道でタンポポをたくさん採っている方がいたので「カンサイタンポポをお探しですか」と声を掛けると、「新聞に載っていたので」「この『ひげ』が外来種の特徴でしょうか」とおっしゃるので、「新聞には『ひげ』と書いてあったが(その方が指した箇所の)それではなく、花の下を包んでいるこの部分ですよ」とおしゃべりをした。
植物生理学の田中修氏の著書によると、在来種は春だけに咲いて、自家受粉しないので周りに仲間が必要で、飛ばされた種は秋まで発芽しないのに比べ、セイヨウタンポポは、1年中咲き、自家受粉し、種の数も格段に多く、一年中発芽するらしい。そこで、土地が開発されて目まぐるしく変わる都会では在来種(ニホンタンポポ)はセイヨウタンポポに席巻されたようになるらしい。となると、「VSセイヨウタンポポに敗れた」というのでなく、人間の開発がニホンタンポポ減少の真犯人ということになる。
事実、わが遊歩道の中の小さな緑地帯は、大規模なニュータウン開発の典型のような場所であるが、開発後約30年が経過した結果、私の見る限りニホンタンポポがその地を盛り返して圧倒している。そういう意味で『天声人語』の指摘と符丁が合っている。この地には白いニホンタンポポもいる。テレビのやたらに発する「ニッポンエライ」は嫌いだが、ここを通るたびにニホンタンポポがんばれと心の中で思っている。私は愛国者である。
愛国者ということでいうと、櫻井よしこ氏ら右翼の代表が国技館で熱烈なトランプファンを演じたことが印象的だったが、そのトランプはアジア人ヘイトを煽り、日本人を含むアジア人がアメリカで危険な目に合っている。そんなのは、彼らの言葉では「反日」ではないのですかね。(写真は『戦後体制の超克』という右翼のブログに誇らしく掲示されていたもの)
0 件のコメント:
コメントを投稿