2021年3月12日金曜日

通なお人

   冬の鍋料理で、あってもなかっても良いけれど、やっぱりなかったら画竜点睛を欠くのが菊菜(春菊)だと思う。そんなものどうでもいいという人とは付き合いたくない。

 2階の窓から窓ガラス越しに撮った写真だが、わが庭をテリトリーにしているヒヨドリはなかなかの通(つう)で、菊菜を夢中で食している。

 今夜は鍋料理と決めている昼にこういう窃盗行為を見つけると腹も立つが、それよりも「今日は食べ頃らしい」」と大人らしく振舞うこととする。見かけ上、私は大人である。ヒヨドリに食われたぐらいで狼狽えたりはしない。

 それにしても、周辺には、ルッコラは別にして、水菜、白菜、菜の花、レタスなど癖のない野菜がいっぱいあるのに、選りにもよって少々個性的な菊菜を啄ばむのはどうしてだろう。きっと、このある種の「苦味」は解毒作用があるに違いない。(知らんけど)

 その夜、ヒヨドリの食べ残しを躊躇なく鍋に投入した。冬野菜もゴールが近づいている。

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