2021年3月21日日曜日

狸が降る理由

   16日の朝、カーラジオから道上洋三さんが「今日は黄砂が来る」という話で、「晴れた日に雨が降るのを狐の嫁入りというように、黄沙のことを雨冠に狸・・」と言ったので、私は即「つちふる(霾)」と答えたが、あとで、狐の嫁入りは日本の俗信なのに霾は漢字だからハテナと考え込んだ。霾は国字だろうか。

 だいたい砂嵐が発生するような大陸北部に狸は似合わないし、狐や狸が人を化かしたり人を困らせる俗信は大陸にもあるのだろうかと辞典類をめくってみても見当たらない。

 霾という文字は主に俳句の季語として知られているが、比較的新しい季語で、大正時代に満州に渡った俳人たちがよく使用したということが解ったがこれは納得だ。

 さらにその元は杜甫らの漢詩にあった。また考えている途中で、そも狸という漢字は元は中型の哺乳類全般を指していたようだから、狐から連想する狸・・に化かされたような不思議な気候現象という推論は面白くはあるが成り立たないことが解った。

 道上さんの話がどうだったのかは、直ぐにクルマを降りたのでその後は知らない。

 調べているうちに気がついた次の疑問は、雨冠に狸だと普通には音は「り」だと思うが、霾の音は「ばい」「まい」ということだった。雨冠に「埋」なら「ばい」「まい」になり、「空から降り注ぐ砂粒で村が埋まってしまいそう」と解説されるなら納得できそうだが、同音の漢字を借りたにしては元の「雨冠に埋」という漢字は見つからない。

 結局、霾が黄沙を表している理由、その音が「ばい」「まい」である理由はわからずに狸に騙されたような気分のままでいる。ご存知の方は解説をお願いします。

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