2019年9月14日土曜日

お月見

   9月13日は太陰暦の8月15日、つまり仲秋の名月であった。(満月は9月14日というのも興味深いが)
 わが国で月の女神というとすぐに思いつくのはかぐや姫だが、古い中国の神話では月の女神は嫦娥(じょうが)である。
   この間から度々ニュースに登場した香港の行政長官は林鄭月娥(りんていげつが)女史だから、きっと親は月の女神のようになってほしいと名付けたのだろう。
 ただ嫦娥は、夫が西王母からもらい受けた不死身の薬を盗んで飲んで月に逃げたため、挙句ヒキガエルにされてしまったのだから、親はそこのところをどう考えて付けたのだろう。(現在の香港問題とは関係ないが)
 我々が月で兎が餅をついているとみるように、中国では月には大きなヒキガエルにされた嫦娥が見えるという。

 月見団子を買い求めに奈良の有名な和菓子屋に行ったが、写真のような月見団子よりも真ん丸の月見団子の方がよく売れているように見えた。
 東京の文化が関西をはじめとする土地土地の文化を駆逐していっている。
 私は意地でも関西風の月見団子である。
 これは一般に「里芋の形」だと言われているが、私の母は「月に叢雲」だと言っていた。
 よく解らなくてもこういうものは継承することに意味がある。
 イオンあたりで売っているものとは違って本当に美味しかった。

 先日からいつもの散歩道脇の空き地でススキを見つけておいたから、それを数本刈りに行ったが全くなかった。歩き回っても同じだった。
 わが街周辺に風流なご同輩がおられるならうれしいことだが、その徹底ぶりからすると、商売のために根こそぎ刈り取ったのかもしれない。(邪推かもしれないが)
 ススキは月の女神の依代だからこれは絶対に必要だ。で、少し離れたところまで行って刈ってきた。

   月見団子こし餡は叢雲と聞いた

5 件のコメント:

  1.  林鄭月娥さんですが、イングリッシュネームがキャリー・ラムさんですね。
     「身分証明書やパスポートは通常こちらを使用する」と書かれている文書もあります。私は詳しいことは知りません。
     香港体験者でご存知の方は実情など教えてください。

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  2. 先日嫁はんが買ってきた「月見団子」こんなものしか売ってなかったと
    ふくれ面の嫁はん。パックに入った物を見ると串に刺した団子に粒あんを
    かぶせただけの物。
    どこが月見団子か?とパックを見ると「お月見」と書いた丸いシールが
    貼ってありました。
    和菓子文化も退廃したのか?

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  3.  製造元はどの地方なのでしょうか。そこはそこで「これが月見団子」なのかもしれません。
     その奈良の有名な和菓子屋ですが、きれいな紙製の三宝に丸い団子(餡は中に)がセットされているのが売れ筋のようでした。てっぺんの団子には兎の可愛い焼印がありました。
     でも、奈良及び関西の月見団子ではないですよね。
     雑煮と一緒で「これが月見団子だ」と各地で言い合っているのがよいことだと思います。
     「丸いもの?には巻かれろ」という風潮には抗いたい気がしています。

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  4. いえいえ、れっきとした「山崎製パン」の物でした。普段は「串ダンゴ」として売っている様でそこに「お月見」と書いた丸いシールを貼っているのです、許し難い!というほどの事でもないか。

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  5.  この種のことでは、言っちゃあなんですが、山崎製パンだとかイオンなどというのは論外ですね。
     それ以上に、仲秋の名月に月見団子を食べないのは・・・・・ですね。

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