2019年9月23日月曜日

天井の扉

   写真のバスは、けいはんな学研都市の中を通勤バスとして走っている奈良交通の連節バス。
 「鉄ちゃん」はレールがないから興味がないかもしれないが、路面電車よりも列車感がありはしないか。

 車で走っているときに街で度々見ていたが、追いかけて行って写真を撮るほどでもないと見過ごしていた。が、早朝にバスが待機しているのを見つけたので今回はスマホで撮影した。

 帰ってからほんの少し調べてみると、興味深いことが少しあった。
 定員は130名で、通常のバスは70~80名らしいから、2台が団子になって走るよりは渋滞解消効果があるらしい。う~む? 実際(ホンネ)は運転士不足?
 エンジンは後方の車両についていて前方の車両を押しているのだと。そのため連節を外すというようなことはなく2両で1台の車で、その結果当然「牽引」の免許も要らないというのは納得した。とはいうものの、2両目には一組の車輪しかなく、バックするときにはどういう操縦をするのだろう??? やはり牽引のように反対に切る?
 国内で運行中の連節バスはすべて外国製で、このバスもそうらしい。へえ~。意外!

 一番感心したのは非常扉が天井に付いていることで、その理由として、非常扉が必要なケースの多くはバスが横転しているだろうから、その場合にバス側面の非常扉はあまり意味がなく、横転した場合の天井が合理的・・という設計思想らしい。
 
 ここは上下転覆したらどうかなどという意地悪質問は別において、いろんなことを侃々諤々議論したのだろうなあと感心し。
 私ならそんな発想をしただろうかと、己が頭の固さを反省。

 ちなみに、道路運送車両の保安基準では、非常扉は右側後方または後面となっている。とりあえずその意味は理解できる。では、この天井は別の例外規定があるのだろうか。きっとあるのだろう。
 衝突事故の場合、前方の扉が壊れて開かないケースが想定されるが、同じ意味では後面は”もう一つ”かもしれない。
 外国のバスで天井非常扉が多いのは窃盗団対策ともいう。これなどは私の想像の外だった。

 そういえば、日本の最新の列車の車両があまり輸出できていない理由は、軽くて性能はいいが弱いからだと聞いた。
 つまり、「列車は衝突事故を起こすものだ」という思想で頑丈に作るものだという外国の基準に合わないという。
 ところ変われば発想も文化も異なるものだ。よくよく交流して理解を広げるしかないし、相手の考えも理解に努めなければね。
  
   高鳴きはすれど贄は見つからず
   モズの高鳴きが聞こえてくるが、いっこうに早贄は見つからない。

4 件のコメント:

  1.  いすゞと日野が共同して国産車を作っているらしいが、写真で見た限りでは前方車両と後方車両の各右側後方に非常扉があるように見えます。

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  2. 連接バスを初めて見たのは、つくばの科学万博で、国鉄万博中央口駅と会場を結んでいました。「鉄」としては、レールがないので物足らないのですが、公共交通ということでは、鉄道以上にきめ細かな「面輸送」を担当していて、いまや鉄道趣味誌にも「バスコーナー」が設けられています。レールがないと言っても、トロリーバス(関電の黒四ダムのトロバスが電気自動車になって、いまや死語に近いですが)は鉄道扱い(無軌条電車)されています。子供のころ、大池橋から今里、玉造を経て長堀通りを四ツ橋の方まで走っていたトロバスに時々乗ったのを思い出しました。

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  3. 鉄オタの息子のお友達には「バスオタ」もいるそうです。昔、八尾の実家の前は国道25号線で近鉄バスが走っていました。一時期、「百人バス」というのが走っていて、運転席と乗客バス部分が切り離されたトレーラー形式のバスでした。

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  4.  猫持さん、ひげ親父さん、貴重な情報をありがとうございました。
     トレーラーバスの記憶はありませんが、普通の近鉄バスですが、梅田発奈良行があり、梅田から奈良の学園前まで乗車したことがあります。
     トロリーバスはごく短期間、堺の宿院から大浜公園まで走っていた記憶がありますが、いくら検索しても出てきません。私のまぼろし~!かもしれません。

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