2016年5月10日火曜日

俳壇・歌壇を読んで反省する

 5月9日、GW明けの朝日俳壇と歌壇。どこか私の琴線に触れたものをご紹介。

 春愁をはみ出す地震の画面かな (平塚市)秋濱 信夫
 春日傘ひそかに杖とたのみけり (松戸市)斉木 直哉
 春宵(しゅんしょう)や故人ばかりの映画観る (堺市)山戸 暁子
 花の夜の残業の灯を消しにけり (東京都)飯沼 邦子

 お守りのごとくケータイ握りしめ浅く眠りぬ余震に怯え 
            (熊本市)高添美津雄
 地震速報つぐるテレビの音鳴ればかの三月の記憶に竦(すく)む 
            (仙台市)坂本 捷子
 「骨壺と私は無事よ」熊本はひとり住まいのファックス届く 
            (愛知県)赤羽 一郎
 アルコールゼロのビールの冷えた缶ググッと飲みほす介護の合間 
            (横浜市)杉本 恭子
 手に持った物を捜しているような 平和のための改憲というは 
            (岐阜県)高岡  勉
 花霞む山里ゆけばおちこちに隠しようなきフレコンバック 
            (福島市)美原 凍子
 職退いて無駄に残り̪し吾が名刺焚けば炎のほんの束の間 
            (神戸市)杉岡 壱風

 ・・・同じ景色を見て、同じニュースに接しながらなんと敏感な感受性かと感心。
 俳人、歌人に脱帽。
 「綺麗」とか「美味い」とか「怒る」というような散文的ブログしか書けない自分が情けなくなるが、そこで筆を止めていないのが善いと自分を慰める。

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