忍冬というと飛鳥から平城(なら)の時代の仏たちを飾る『忍冬唐草紋(にんどうからくさもん)』が思い浮かぶが、遠く故地はギリシャ、ペルシャにしても、仏像と結びついたのはパキスタン北西部のガンダーラである。
そんなもので、連想ゲーム的に中村哲医師もこんな紋様を目にしていただろうかと想像したりする。
「弦や葉が正確には忍冬ではない」という説もあるが、「忍冬唐草紋」でいいのではないだろうか。
なお「スイカズラ」とは、子どもたちがその花の蜜を吸って遊ぶところから「吸葛(スイカズラ)」というらしいが、実際にはそれほど甘くも感じなかった。
花木にはいろんな言い伝えがあり、妻は小さい頃に「空木(うつき)の箸は骨上げの時の箸」と聞いて印象が悪いらしいが、実際の花にそんな陰鬱なイメージはない。
それどころか、万葉の昔から「打つ木(うつき)で地面を打ち邪悪な土地の悪霊を追い出す」風習もあったというから、めでたく神聖な木といってもよいぐらいだ。
何よりも 〽卯の花の匂う垣根に のとおり、季節を代表する花木のひとつである。
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