2022年5月5日木曜日

端午の節句

   『節(せち)は五月にしく月はなし。菖蒲・蓬などのかをりあひたる、いみじうをかし』(枕草子39段)

 わが家では毎年、清少納言に倣い菖蒲湯後に菖蒲の鉢巻きをするのが「決まり」である。
 菖蒲は元来は前日に屋根に上げておくものだが、それは玄関にイケバナ風に活けることに変えている。

 菖蒲の鉢巻きをすると向こう1年間悪い頭痛に悩まされることはないというのだが、後日書いてみるが妻はけっこう頭痛に悩まされている。
 そういうときは、こんなまじないをホンキで怒ったりせず、この鉢巻きをしなかったならもっと酷い頭痛であっただろうと考えるのが「信仰」の正しい答えである。うふふ
 それに、仮に頭痛に悩まされたとしても、「菖蒲に対して、コラッ菖蒲メ」と怒る気にもならないから、こういう伝統行事は明らかな不都合がない限り大事にしたいと思っている。

 一説では、元々端午の節句は田植え前の早乙女の「五月忌」、田の神に対する早乙女の厄払いであったとある。つまり女の子の行事であった。それが平安時代頃から、菖蒲が尚武や勝負に通じるというので今に続く男の子の行事のようになったが、この方が縁起としては相当安っぽい。

 〽ちまき食べ食べ兄さんが のちまきの由来だが、中国は紀元前・戦国時代、楚の気骨ある政治家・屈原は諫言した故、陰謀により国を追われ、ついには汨羅(べきら)の河に身を投げた。後に民衆は命日の55日に米を詰めた竹筒を投じて霊に捧げたが、河に住む竜に食べられてしまうため、竜が嫌う葉で米を包み、五色の糸で縛ったものを流すようになったというのが「ちまき」の始まりという。
 この竜、行政の執行の途中で横取りをして私腹を肥やすDやPという会社を連想してしまうがそれはさておき、結局民衆は屈原を偲んだという歴史に思いをはせて今年もいただいた。

 端午の節句、なかなかに味わい深い。

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