写真の背景に写っているのが蛇籠(じゃかご)である。針金で作った籠(かご)に石を詰めたもので、中村ドクターたちはそれを積み重ねて護岸を造った。
その護岸に成長の早い柳を植えていくと、針金が錆びて壊れる頃には柳の根がびっしり石を掴んで壊れない。
そしてこの方法だと大層な重機や材料がなくても現地の人々によって後々補修できていく。中村さんたちはこうして大旱魃が続くアフガンの砂漠を畑に変え、人々を救ってきた。
そこで蛇足である。 私は就職して直ぐに労災保険の適用という仕事についた。工場のことも建設現場のことも何も教えられないまま現場に投入された。
そして早々に建設会社から出された書類に蛇籠の文字があった。そして、先輩たちに聞いてもそれがどういうものであるのかは誰も知らなかった。
日本では高度成長と共に廃れていった旧来の工法であった。今なら直ぐにwikipediaで調べられるが、電卓もない時代だからむやみやたらに本に当たった。だから「蛇籠」の文字を見るとモーレツに懐かしく当時の悩んだ日々を思い出す。
2【緑茶】中村さんの発言の中に「緑茶を消費する国は、モロッコとアフガニスタンと日本と、この三つです」というのがあったが、私には全く予想外の文章(知識)だった。
念のためネットで調べてみたが、適切なデータや文章には辿り着けなかった。だから、「緑茶」をどう定義するかでこの話(文章)は変わりそうだ。
ただ、このブログでは緑茶の消費量や嗜好について論文を書くつもりもないから、茶というと、世界中では圧倒的に紅茶やウーロン茶系のお茶が飲まれている中で、日本茶に近い緑茶をアフガニスタンやモロッコでは大いに好まれているらしいことは楽しい雑学だとして覚えておきたい。そして、そんな一つのハナシから、日本列島と共通するアフガニスタンについて語るのも楽しい。
中村哲さん亡き後も、そんなことからでも茶飲み話からでもアフガニスタンへの関心が続いて欲しい。
蛇籠は、古くは竹製が多く、蛇のように長い円筒形が多かったようだ。そんな写真を見ると、「水利に使用するので水の神の蛇」云々というよりも、文句なく「大蛇のような籠」で蛇籠となったのではないだろうか。そんな気がするが学術的に調べたものではない。ただの私の感想。
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