2020年2月27日木曜日

怪しい者たちの現代

224日、新型コロナウイルス感染症対策専門家会議が『新型コロナウイルス感染症対策の基本方針の具体化に向けた見解』を発表したが、次のような文言に私は驚いた。

 特に、風邪や発熱などの軽い症状が出た場合には、外出をせず、自宅で療養してください。
 ただし、以下のような場合には、決して我慢することなく、直ちに都道府県に設置されている「帰国者・接触者相談センター」にご相談下さい。
 (中略)
症状がなくても感染している可能性がありますが、心配だからといって、すぐに医療機関を受診しないで下さい。医療従事者や患者に感染を拡大させないよう、また医療機関に過重な負担とならないよう、ご留意ください。(引用おわり)

私の拙い常識では「病気は素人判断をせず、早い目に医師の診断を受けてください」というものではなかったか。
それを「重症化するまで医療機関に来るな」と言うのは信じがたいことだ。

韓国では25日16時現在の検査者数が40,304人だというのに日本のそれは24日12時現在913人(チャーター機、クルーズ船除く)、重なるが、大臣国会答弁では18日から24日の間に571人だという。何が「医療機関に過重な負担」だ。

安倍内閣の一連の隠ぺい、改竄、データ不正などと重ね合わせて考えると、これは「検査をすれば陽性者が出てくる」「軽症者はそのうちに治るだろう」「どんな手を使ってでも感染者数を小さくしたい、隠したい」の一念であるように私は想像する。

医療のことではないが本郷恵子著『怪しいものたちの中世』を読んでいるが、その本の冒頭の『はじめに』はこう始まっている。
日本の中世は、圧倒的に管理されていない社会である。強い者にとっては自由度の高さが嬉しいだろうが、弱い者は支援や保護を受けることができず、捨て置かれたまま顧みられない。自由と悲惨は表裏の関係にあり、強者もいつなんどき弱者に転落するかわからない。(引用おわり)
私たちは今どういう時代を歩んでいるのだろうか。

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