古い史料を読んだりすると、人々が恐れたものは気候変動や火山活動による飢饉もあるが、今でいう感染症の蔓延を非常に恐怖してきたことが判る。
国という概念が正確ではないが、国民の半数が亡くなったという史料もある。
御肇国天皇(はつくにしらすすめらみこと)ということからも事実上の初代天皇とも考えられている3世紀後半の可能性もある崇神天皇の即位5年、疫病が流行して人口の半ばが失われたと記紀にある。
感染症の筆頭は天然痘かもしれないが、今でいう新型インフルエンザや昨今の新型肺炎のようなものもあったに違いない。当時の人々がその原因を考えた結果が「鬼」や「荒ぶる神」の発見であった。
と思うと、節分の豆まきも真剣な行事だったと思われる。(というような歴史を想像しながら豆まきをしてもらいたい)
鬼をもう少し抽象化するとそれらは穢れ(けがれ)であって、単純に言ってしまうと汚れを抽象化したものではなかったか。
だから、穢れを祓うためには禊が必要で、その一番簡易な方法が手水(ちょうず)で、手を洗い口を漱ぐこととなっている。
また、大事な祭事では、穢れているかもしれない人間の息や唾が神仏に及ばないよういわゆるマスクをつける寺社は少なくない。
なので、新型肺炎のニュースを聞きながらこれは「禊が必要だ」と私は想像したわけである。
となると、わが家も玄関を入ってすぐにアルコール消毒液を置いてはいるが、ほんとうは玄関の外に手水舎を建てる必要があったかもしれないが、それは無理だから、それに代わる方法を少し考えこんでいる。
この文章のまとめは「先人の知恵は馬鹿にできない」ということになる。
誰か言い出すのではないかとテレビを見ていたら、やっぱり「想定外」と発言した人がいた。貴方はこの世の何を想定できているのですか。
為政者の魔法の言葉は想定外
0 件のコメント:
コメントを投稿