2020年2月17日月曜日

地に落ちたセーフティーネット

 新型肺炎のニュース、特にクルーズ船のニュースを見ていて、「どうして直ぐに全員の検査をしないのか」「集中空調だと思われる船内では感染を拡大させるだけでないか」と疑問に思われた方も多いだろう。
 そのうちに、「検疫官が感染した」「検疫官がマスクを再使用していた」というニュースになって、ジャパン・アズ・ナンバーワンと言われていた国もここまで劣化したかと嫌になった。
 ならば、その劣化は自然条件か何かのせいか。否、竹中平蔵の唱える新自由主義、すべてを短期の儲かる儲からないで判断し、儲からないセーフティーネットを徹底的に削減した自公政権の「行政改革」「定員削減」に大いなる原因があると私は思う。

 日本共産党神奈川県議会議員の君嶋 千佳子さんのFBには次のように書かれている。
 ● 日本の国立感染研究所は職員約300人。予算はこの10年間で3分の1に減らされ、年間約20億円。
 ● アメリカとの比較をすれば、過酷なことがよくわかる。米国C D C (疾病予防センター)は職員約15千人。年間予算約1兆円。
 ● 因みに2019年の人口は、日本約12602万人、アメリカ約32900万人。人口を考慮しても桁違い。
 ● 全国の地方衛生研究所は83箇所。神奈川含め直近の実態を早急に明らかにしなければ
そして、受け入れ医療機関も不足。病床数減らす事を、全国に押し付けている場合ではない。
 問題が起こるたびに炙り出される、この国の悲惨な実態。
 今回明らかになったのは、日本の「命軽視」の実態。(引用おわり)

 君嶋さんは神奈川県下の労働行政で働いていて、全労働省労働組合神奈川支部執行委員長もされていた。労働問題や社会保障に関するベテラン議員だ。的を射ている。

 さて、半藤一利・保坂正康著『そして、メディアは日本を戦争に導いた』という名著(文春文庫にもなっている)があるが、そこでは「メディアは売り上げで動く」「それは現代も同じだ」と喝破されている。
 対外的には中国や韓国の悪口を煽り、対内的には公務・公共を十把ひとからげに悪人に仕立て上げれば国民は熱狂すると。
 事実、こうして社会保障は削りに削られ、予算と行政は自公政権下で利権の宝箱になってしまったのはご存知のとおり。

 余分かもしれないが、国内で初めて新型コロナウイルスによる患者が確認されたのは116日のこと。129日の参院予算委員会で「政府対策本部は設置されているのか」と問い質され翌30日に対策本部を設置。131日にはWHOが緊急事態宣言を出したが、そこから2月14日に「専門家会議」を立ち上げると発表したまでに、実に半月もかかっている。


 2009年の新型インフルエンザの際は、WHOが同年424日に緊急事態を宣言すると、政府は同28日に対策本部を設置。3日後の51日には、尾身茂・自治医科大学教授を委員長とする「専門家諮問委員会」を対策本部の元に置き、初会合を開いている。これは、国内で初の感染者が確認された同年59日の8日前にあたる。なお、国内で初めて感染者が死亡したのは、同年815日のことだ。

 これらの事実からしても、現安倍内閣が弛緩しているというか大幅に劣化しているのは誰の目から見ても間違いない。
 それらのツケは、明日貴方の身に降りかかってきてもおかしくない。
 
 ついては、この国のこういう現状を憂うる方々には常識の前提となる正しい情報入手のため、是非ともしんぶん赤旗をご購読願いたい。
 そして、君嶋 千佳子さんを応援してほしい。
 私、勝手に君島応援団です。 

   (ひよ)鳴いて雨上がり知る部屋の中

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