2019年1月28日月曜日

初物七十五日

   初物を食べると七十五日寿命が延びる。
 昔からそう決まっている。祖母も、父母も、そして私たち夫婦も初物のお膳の前では必ずそう言う。
 そのおかげで今日までナンじゅうナン年生きてきた。
 ただ野菜はハウス、果ては野菜工場で栽培され、魚は養殖、輸入、国内の遠方からでも送られてくると、どれを初物と言ってよいのかと首をひねることもある。

 それでも、いやに早い気もするが初物と言ってよいようなものを二品食べた。で150日は命が延びたに違いない。

 その一、妻が買って来た若ごぼう。八尾という表示がない。大という字?を丸めたような中に三 東というようなマークだが、一体どこの産物だろうか? 大阪以外でも栽培されているのだろうか? 九州、四国あたりのものだろうか。産地は分からないがこの香りは春のそれだ。

   その二、イカナゴのシンコよりは大きく、カマスゴと呼ぶにはちょっと小さいような、でもやはりどちらかというと少し小ぶりのカマスゴを食べた。
 脂はのっていなかったがその分癖もなく美味しかった。
 でも、瀬戸内では禁漁期間ではなかったか?

 これらは先週の週末のことで、テレビでは各地の積雪を報じていた。
 なので、文句なく冬真っ盛りではあるのだが、少し気が早いが春の味である。
 気温とは別に、気分が冬から春に切り替わる気がする。
 
 初物というには早すぎるがほんとうに店頭に出てきたのだから仕方がない。
 そういえば、フキノトウもすでに食べ終えた。
 ほんとうの旬、ほんとうの季節が判らなくなりそうだが、マーケットに誘導されながらも旬を感じて、暖房を効かせた部屋で、春だ!春だ!と叫んだ。

   初物やまた話す常套句

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