2011年5月18日水曜日

見ないと見えない

 自宅から駅までの道路をこれまで何回往復しただろう。
 その道の、雪柳の荒れた垣根の中に、知らない・・特色のある・・綺麗な花を見つけたのは一昨年のことだった。
 いろいろ本を調べて名前に辿り着き「大発見大発見」と喜んだら、妻は「そこに忍冬が咲いているのは知ってたよ」。  ええっ!
 「見ないと見えない」という真理を実感した。

金色銀色
 古代史の書物や話の中でしばしば登場する忍冬唐草文様(にんどうからくさもんよう)。
 古代オリエントからシルクロードを経てこの列島の仏像の周囲や瓦や正倉院宝物等を飾り、下っては獅子舞の衣装やサザエさんに登場する泥棒の必須アイテムにまで進化したこの文様の名付け親たる忍冬ってこんな近くにもあったんだ。
 知っている人には他愛ない事実でも、知らなかった者(私)が新しい事実を知った・・・・瑣末なことながら感動感動。
 
この忍冬、一般的には吸葛(すいかずら)。今年もいつもの場所で咲き始めた。
 白色から黄色に変わっていき、黄色い花と白い花が混じって咲くから金銀花ともいうらしい。
 昔から子供たちが甘い蜜を吸ったから吸葛とあるが、「吸い込む唇の形に似ていることからきたともいう」との亜説の方が、話にほんのり艶があって記憶に残る。



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