2021年10月20日水曜日

シニシズム(冷笑主義)にさよならを

 衆議院選挙が公示されたが、「今さら民主主義? なんだか古くせーし、だせー感じだし、聞き飽きたし、みんなで寄ってたかってわーわー言っても何も決まんねーし。誰かエライ人に決めてもらったほうが速くね?」と思っている若者もいるかもしれない。この言葉の部分は本田由紀さんの本から引用したので、東京弁の若者言葉になっている。

 さて、中島岳志教授の言葉を引用すれば「岸田内閣は安倍政権」で、森友の再調査も説明もしないといっているが、そういう下で「日本がだめでも自分がOKならいいじゃん」はどこまで通用するだろうか。

 近畿財務局の赤木俊夫さんは、自身に全く関わりない事件(当初の契約事案には関わっていなかったので理解も十分できていなかった)の不法な後始末を命じられ、財務本省と大阪地検によって自死させられたが、自公政権が続く限り、明日は違う形で貴方の身に降りかかってくるとも限らない。権力すなわち政治とはそういうものである。

 昨年、米公民権運動の指導者の一人ジョン・ルイス下院議員がなくなったが、米国史上初の女性副大統領(大統領がなくなった場合などは大統領に就任する)と決まったカマラ・ハリス上院議員は次のように演説した。

 ■ ジョン・ルイス下院議員は亡くなる前にこう書きました。「民主主義は状態ではなく行動である」と。その意味するところは、アメリカの民主主義は決して保証されていないということです。私たちがそのために闘い、守る意志があってこそ強いものとなります。当然のものとして受け止めてはなりません」■

 赤木さん事件ではないが、日本の芸能界では西欧と大きく異なって、政府に楯突くかのような発言をすると抹殺されそうな風潮があって、そのことが若者のシニシズムを煽ってもいる。かつて森喜朗首相は「選挙には関心がないといって寝てしまってくれればそれでいい」とホンネを語った。

 そういう下で今般、芸能人が「選挙に行こう」と発言したことは、支持する政党等の立場を超えて日本の民主主義のために立派なことだと思う。You Tube で「選挙へ行こう」と検索すると次の動画が見られる。

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