2020年12月17日木曜日

ガースーがザンギで

   14日にGoToトラベルの全国一斉停止を発表した直後、菅首相や二階幹事長ら重症化リスクの高い高齢者8人ほどが、銀座の高級ステーキ店で忘年会を行ったニュースが話題になっているが、妻はそのメンバーに杉良太郎氏が入っていたことに怒っている。

私はホークスの王貞治会長がいたことに怒りはしないが、すぐに福本豊氏を思い出した。王貞治氏の受賞から始まった国民栄誉賞受賞話の際、「そんなもんもろたら、立ちションもできんようになるわ」と固辞した福本豊は漢だったと。

政治評論家たちを丸め込むための酒食の提供で、杉氏や王氏はいわばホステス代わりだったのだろうから、自分が客寄せパンダになる可能性のある人間には矜持が必要でないか。

ホステスというと、先月に首相がマスク会食を国民に呼びかけた日に荻生田文科相が芸者同伴の接待宴会に参加していた。「芸者は料理を食べないから大人数ではない」などという言い訳を文科相がいうのだから現場の先生方はなんと子どもたちを教えればいいのだろう。

いずれも、国民には不要不急の外出は控えろ、10時や果ては9時以降酒を飲める店は閉じろ、少人数で、マスクを着けて‥などといいながら、彼らは「隗より始めよ」の故事成語を知らないのか。

医療崩壊が始まっていると言われている中で必死になって努力している医療従事者やコロナリスクの高い現場で働く人々に対して失礼だと思わないのだろうか。

マスコミもマスコミで、元NEWSの手越祐也が緊急事態宣言下で飲み会に参加していたとき、石田純一がコロナから回復したあとに飲み会に参加していたとき、どれだけ猛バッシングを浴びせていたか。マスコミは巨悪を叩くものではないのか。

このブログの125日の『隠岐さや香氏のパリ・レポート』に引用したとおり、《欧州全体を大まかに観察する限り、緑の党やフェミニスト的な左派はロックダウンを受け入れるムードであり、経済自由主義的な右派はそれを「自由の侵害」と捉える傾向が目立った。左派は基本的に、未知のウイルスを通じて自分が他人を、あるいは他人が自分に害をなさざるをえない状況を避けるために、己の自由への制限を受け入れたのである。対して、経済自由主義的右派は、どちらかといえば弱肉強食の市場競争のための「自由」に肯定的で、経済活動全般に対する規制には否定的な傾向がある》

この時代は、人間の本性が見えてくる。

2 件のコメント:

  1.  奥さんは杉のファンだったから怒ったのかどうか?私は杉氏が東日本大震災の際、大型バンに機材を積み込み、ボランティアに通ったことを知りました。その時、有名人が売名行為でやっていると批判されたそうです。がその時杉氏が言い放った言葉に感嘆しました。「そうだよ、売名行為だよ、何と言われようと文句言わずにまずやれよ!やれる人間がやれよ!」と。
    漢だと思いましたが果たして今回の騒動について何と言うのか、聞きたい。

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  2.  ひげ親父さんの指摘のとおりです。妻は、売名行為と言われようが何と言われようが鼻で笑って社会活動を続けてきた杉良太郎を評価していたのに、権力者と同席するか!と怒っているわけです。

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