2020年12月10日木曜日

雑煮の楽しい記事

   9日付け赤旗「くらし・家庭」欄に日本調理科学会・甲南女子大学准教授東根裕子氏の「地域ごと多様な正月雑煮」という楽しい記事があった。雑煮の多様性・地域性は現住所というよりも各家庭(夫と妻)のルーツが垣間見られて興味がある。

 事実、娘のお婿さんは愛知県の出身なのだが、その実家の雑煮は掲載されている「雑煮文化圏マップ」の「たまりじょうゆ文化」ではなく「すまし汁」だというから、ご両親の中国・四国ルーツが納得できる。

 私の雑煮は同マップでいうと「丸もち・煮る」「白みそ」の大阪せんばのそれであるが、妻は掲載した写真の左上にある「丸もち・焼く」「赤味噌でない味噌」(記事では白みそ)プラス「きな粉を添える」の奈良独特のそれである。

 さらに記事では「きな粉はその色から豊作を意味しているそうです」とあったが、当の妻は「へ~、そうなん」と言っている。こういう理屈は後付けで「甘味こそが御馳走」という素朴な文化かも知れないし、反対に各家庭にはわざわざ由緒など伝わらないことなのかもしれない。「きな粉=豊作」説の根拠を知りたいものである。

 ともあれ、明石家さんまさんがテレビで「きな粉大好き」と公言しているが、きっとこの奈良の雑煮文化の影響ではないかと推測している。

 現代のわが家では、「丸もち・煮る」「白みそ」「きな粉を添える」の大阪・奈良ハイブリッドとなっている。伝統文化重視という意味ではそれはどうかという意見もあるだろうが、郷土料理の料亭は別にして、ルーツの異なる両性によって生まれる各家庭は、変化する方が普通なのではないだろうか。事実、私は「大阪の子」という意識があるが、子どもたち二人は文句なく「奈良の子」だと自称している。「存在が意識を規定する」のだ。

 最後に一言、記事には「大阪では高齢者が食べやすいようにと、うるち米を入れてついたもちを使い」とあるが、70何年生きてきてそんな雑煮の事実を私は知らない。(うるち米入りの餅を知らないわけではないが)これこそこの説の根拠を知りたい。

1 件のコメント:

  1.  16日の『読者の広場』に「わが意を得た・・」という、奈良出身の72歳の方の投稿があった。曰く「息子が各地の友人たちと雑煮談義をするうちに、わが家の雑煮を異端視するようになった。‥そんな折のこの記事は写真までついてわが意を得たりだった。息子の婚約者の感想を楽しみにしている」というものだった。
     私も最初は「えッ料理にきな粉?」と思ったが、今では結構楽しんでいます。

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