2019年8月9日金曜日

袋小路の安倍外交


 88日の朝日新聞は約1ページを使った「オピニオン&フォーラム」で「袋小路の日韓関係」について3人の識者の発言を載せていた。
 その中の一人、外務省でジュネーブ軍縮会議代表部大使、日朝国交正常化交渉政府代表などを務めた美根慶樹氏は次のように語っていた。

 ■ 河野太郎外相が、韓国の南官杓大使を外務省に呼んだ際、身を乗り出して通訳を遮り、声を大きくして「極めて無礼だ」と韓国の対応を批判したのには驚きました。(長谷やん:しかもテレビカメラを入れて)
 こんな振る舞いをすれば、韓国国民は自分たちの代表が侮辱されたと受け取り、反日ナショナリズムに油を注ぐことになりかねないからです。
 外交は、主権国家同士の対等な付き合いが大原則です。どんなに相手が小国であっても、「上から目線」の対応は絶対にいけません。もし相手が欧米の大国だったら、河野外相もこのような態度はとらなかったでしょう。
 (中略)
 経産省側がここまで一方的な姿勢を強調するのは、安倍政権への「忖度」にほかなりません。安倍政権下では独裁と言っていいほど官邸の力が強まっています。役人は人事で飛ばすと脅され、牙を抜かれているのでしょう。(後略) ■

 私は韓国国会議長が「天皇が一言謝ってくれればそれでいいのだ」と言った場面を思い出す。
 日本国憲法下の天皇にそれを求める発言は全く当を得ていないが、日本の政権にそれを求める気持ちのようなものはよくわかる気がする。
 韓国内にもインテリは多いし、多くの知日派と呼ばれる人もいるはずだ。
 徴用工問題にしても、それこそ外交の出番でないのか。

 それを首相らは、安倍政権の票田である右翼、日本会議に媚びへつらって、中学生の番長張りに立ち居ふるまって支持と喝采を得ようと自ら袋小路に迷い込んでいるのでないか。
 
 戦前の大日本帝国では「暴支膺懲(ぼうしようちょう)」というスローガンに国民世論が誘導された。「暴虐な支那(中国)を懲らしめよ」である。
 支那を韓と読み替えると、昨今のマスコミにはそんな亡霊がよみがえってきた感がある。 
 もう一度言う、外交の王道に戻れ。
 なお、徴用工の個人請求権の法律問題については稿を改める。

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