2019年8月24日土曜日

希釈すれば無害なのか


 原子力規制委員会委員長は21日の記者会見で「トリチウムが含まれている福島原発の汚染水を希釈して海に放出するよう東電に重ねて求めた」と報じられているが、それがあまり話題にもされないマスコミっていったい何だろう。

 私自身素朴な疑問だが、この場合の希釈にどういう意味があるのだろう。自然科学に強い方には福島の現実のデータを用いて教えてほしい。

 例えば、1トンの毒薬を海(太平洋)に放出するのはよくないという場合、1トンの毒薬を100トンの海水で希釈した101トンの汚染水を放出したら安全なのだろうか。
 太平洋に1トンの毒薬を放出したのと101トンの希釈された汚染水を放出したのとどう違うのだろう。1トン分の毒薬という意味では全く変わらないのではないか。
 しかも1トンや100トンどころの話ではない量だし、汚染の元は放射性物質である。上記の記者会見が問題にならないことが私には解らない。

 確かにこの世にはいささか有害な食材料などがあり、量的に規制されたり、1週間にこれ以上食べないようになどという規制で現実に食べているものがあるが、ほんとうにそんな感覚で語ってよいものだろうか。福島汚染水のその程度は質の違いに達しているように思うのだが。

 現代のこの国では自然科学の議論さえ政権に忖度しているように思えて仕方がない。
 ほんとうにオリンピックなどしている場合だろうか。
 首相から「アンダーコントロールと言ったのは嘘でした」という謝罪も聞いていないうちに官邸でおもてなしの結婚披露会見が行われた。

1 件のコメント:

  1. オリンピック招致の際の安倍首相のアンダーコントロール発言を始め数々の嘘発言が裁かれることなく通り過ぎてゆくことや、この異常な暑さの中でのオリンピックが何事もなく無事に終わるとは思えない等、昨夜のOB会でも盛り上がりました。

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