2019年8月1日木曜日

リアリティも捨てたもんじゃない

   夏休みということで孫の夏ちゃんがやってきたが、部屋に入るなり始めたのはゲームだった。おいおいおい。
 「夏休みの宿題は?」と聞いても、今度は「いま漢字をしている」と言ってゲーム機の中の漢字勉強(のソフト)をする。
 昨日のブログの続きを言えば、ほんとうにリアリティのない生活態度だ。

 そこで1時間ほどして、渋るのを無理やりセミ採りに誘い出した。
 「熱中症危険!外出するな」というアナウンスのおかげだろうか、セミ採りをしている児は外には一人もいなかった。

 そして全部で9匹のセミをゲットした。
 ほとんどがクマゼミで内2匹がアブラゼミだった。
 その2匹のアブラゼミは夏ちゃんがゲットした。
 逃がしたセミは数が知れないが、2匹ゲットに夏ちゃんは結構満足した。

 帰宅して9匹のセミは部屋の中に解き放った。
 捕まえては飛ばしてみたり、砂糖水を吸わせてみたり、ヤンマのように糸で結んで飛ばしてみたり、観察したり体につけたり、その後のほぼ1日は全くゲーム機を触らずにセミと遊んだ。
 祖父ちゃんが、「鳴くのは雄だけ」「羽で鳴くのでなく腹で鳴く」「発音膜を見れば雄と雌が解る」とアドバイスをしたので、熱心に観察したり、飛び立つときにオシッコをしたのもいて騒いだりしたが、この先短いセミの雌雄を合わせて交尾をさせようとしたりして遊んだ。

 硬い木につかまるセミの脚が結構痛いというのも皮膚に這わせて初めてわかる。そんなのはネットでも本でもわからない。
 体につけていたセミが徐々に上に登ってきて首筋あたりに来ると結構痛くて、ヒーと叫んだりする。
 というように、現代っ子にしては珍しい正真正銘リアルなセミ採りとセミ遊びの1日だった。
 たった1日にしても、リアルな1日に帰ってくれた孫に目を細める祖父ちゃんだった。

 養老孟司、池田清彦、奥本大三郎著『虫捕る子だけが生き残る』(小学館101新書)という名著がある。強く同意する。

   せみせみは子に遊ばれて天に行く

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