2019年8月19日月曜日

ルリセンチコガネ

 (昨日の続き)奈良公園春日大社「一の鳥居」の周辺で、昆虫観察のグループに出会った。
   その皆んなの視線の角度から、どうも糞虫を探しているようだった。ご同輩がいるものだと可笑しかったが、きっと参加費もあるような感じの観察会と思われたので、適当に追い越して行った。
 しかし、チビ糞虫はいるのだが、なかなか糞虫の女王ルリセンチコガネに出会わない。
 芝の奥にキラリと光るのを見つけても、死骸であったりして、ああ、観察会の後ろをついて行ってリーダーの発見のおこぼれを見せていただくのがよかったかもと後悔した。

 しかし、念ずれば通ずで、飛火野の奥で何匹ものルリセンチコガネがせっせと鹿の糞を引っ張りながら運んでいるのを見つけた。
 主にはコバルトブルーだが、グリーンがかったものもいた。
 鹿の糞を食べてどうしてこんなきれいになるのだろう。創造主も粋なものである。

 午後から『ならまち糞虫館』を覗いたら、やっぱり午前中の観察会はここの行事だった。
糞虫館のTシャツ
   館長の中村さんから「あの後見つかりましたか?」と声をかけていただいたから、あちらさんから見ても「ご同輩」の雰囲気で歩いていたようだ。
 近頃は「アニメの聖地」というような言葉で、ある地方に注目が集まることがあるが、その伝で言えば、『奈良公園が糞虫の聖地』であることは間違いない。
 鹿も仏像も良いけれど、奈良公園に来た時にはルリセンチコガネも見て帰ってね。

 鹿が芝を食べ、鹿の糞を糞虫(ふんころがし)が分解し、それで肥えた土から芝が出る。その芝を鹿が食べ、その鹿が糞をして、その糞を糞虫が・・・・、これをエコロジーという!は谷幸三先生の受け売り。
 エコロジーを是と考える進歩的人士には、是非ともルリセンチコガネを実際に見て感動してもらいたい。

   流星の果て野芝のルリコガネ

 奈良公園の芝はそこらによくある高麗芝でなく原生種に非常に近い野芝(のしば)。
 その芝の奥でキラリと光るルリコガネは流れ星の欠片(かけら)に違いない。

4 件のコメント:

  1. お見事!ロマンあふれる一句です。

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  2.  お褒めいただきありがとうございます。妻には「わかりにくい」と言われました。

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  3. ルリセンチコガネ 綺麗に光っていて 何やら 私を 探してごらん!と 言ってそうです。 又 昆虫の Tシャツも お似合いです(^_^)V

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  4.  糞転がしも瑠璃雪隠黄金虫というと格が上がったようです。
     Tシャツのためにはポッコリ腹を縮めなければなりません。猛暑のおかげで運動不足になり体重が危険水位です。

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