2018年11月21日水曜日

少彦名

若宮第2番
   親が大阪の船場で商売をしていたから、道修町(どしょうまち)の少彦名(すくなひこな)神社の神農(しんのう)さんの笹に吊るした張子の虎で有名な11月23日の神農祭は小さい頃から馴染んでいた。

 神農は中国古代の神話中の三皇の一人であり道教の神である。
 その名のとおり原初的には農業神であるが、前漢ごろから医薬の神になった。
 故に道修町の薬問屋の守り神になった。

 一方、少彦名命は大国主神とともに国づくりを行った異形の神であり、日本書紀の一書(あるふみ)によると「病を療(おさ)むる方(法)を定め」たといわれ、これも医薬の神である。
 なので、記紀神話の神と道教の神を一緒に祀ってパワーアップを図って今がある。

 さて、先日、奈良の春日大社の若宮15社をめぐっていると、第2番の御祭神が少彦名命であった。寡聞にして知らなかった。
 本来的には「三輪神社」というらしいが(このあたりの関係も知らないが)、それよりも大きく「一童社」とあった。
 少彦名命のキャラクターは一寸法師に引き継がれたという説もあるから、私は一童社の名前にも違和感がなかった。ただし、その連想が的を射ているかどうかもこれも不知。
 御神徳に「子どもの成長」とあったから、特別に面白くもないがそこから一童社というのが近いかもしれない。例祭は11月25日らしい。

 話は戻って大阪の神農祭といえば「笹に張子の虎」。
 縁起は文政5年(1822)大坂でコレラが大流行した際、「虎頭殺鬼雄黄圓」(ことうさっきうおうえん)という丸薬を張子の神虎と一緒に神前祈願して後販売したことによるという。
 ところが張子の虎の職人の後継者がなく、今の形がいつまで続くかは判らない。
 パンデミックが心配される現代、現代人はますます危険水準に近づいている。

   大阪は日中友好神農祭

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