2017年12月23日土曜日

金持ち喧嘩す

 「金持ち喧嘩せず」という諺(俗論?)がある。
 一般的には「金持ちは心の余裕ができているからつまらない喧嘩はしないものだ」的に使われたりするが、実はそうではなく、「金持ちは利に聡いものだから金儲けにならない喧嘩はしない」という解釈が正しい?らしい。
 
   さて、トランプがエルサレムをイスラエルの首都と認定したことを受けて、国連総会(193か国)が「エルサレムの地位を変えるいかなる決定も無効。撤回すべきだ」という決議を圧倒的多数で採択したが、その総会前にトランプは「決議案に賛成する国への財政援助を停止する」と恫喝した。
 やっぱり、「金持ち喧嘩せず」の前者の解釈は間違いのようである。

 片や安倍政権は、2018年度の沖縄振興予算について、17年度より140億円削減して3010億円とする方針を固めた。特に振興予算のうち使い道の自由度が高い「一括交付金」は約170億円削減する。振興予算は2年連続の減少で16年度は3400億円だった。
 これは、来年2月の名護市長選や来秋の県知事選を控えて翁長県政を痛めつけるとともに、全国の自治体に「安倍政権に盾突くな」と脅す見せしめだろう。
 やっぱり、前者の解釈は的外れであった。

 トランプにしても安倍にしても、早い話が「金が欲しければ魂を売ってでも俺の靴の裏を舐めてみよ」と言うわけだから、世も末の感じがする。ノブレス・オブリージュは新大陸や極東の島国には存在しないのか。
 いや、新大陸でのトランプ政権の低支持率は安倍の島国よりも健康かもしれない。

 何年か前から、文科省は国立大学に対して「文系(人文社会科学)は工学や自然科学系に比べて生産性が低い」「早い話が無駄だ」と指導してきたが、文系の教養の欠如は、批判精神の低下、発想の鈍さ、コミュニケーション能力の劣化をこの国に広めていないだろうか。そしてそれは、反知性主義といわれる政治の土台を作ってきていないか。その分、この国はトランプの国よりも病は重い。

 1960年代後半に「書を捨てよ、町に出よ」と言われたりしたが、今は「ネットやテレビの情報を捨てよ、役に立たない読書※をしよう」が大切な時代になってきている様な気がしている。※12月9日の記事
 この結論部分は大いに反省しながら書いている。

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