先週金曜日の12月15日、米軍ヘリ窓落下事故を受けて沖縄県の翁長雄志知事が官邸で米軍機の飛行中止を求めたが、安倍首相は官邸にいたにもかかわらず面会にさえ応じなかった。
そしてその夜、東京都内の焼き肉店で、お笑いコンビ「ダウンタウン」の松本人志さん、タレントの東野幸治さん、指原莉乃さん、社会学者の古市憲寿さんらと会食した。
安倍首相に誘われ焼肉を囲んだ松本人志さんは自身の番組『ワイドナショー』(フジテレビ)で安倍首相を平身低頭で迎え、無批判に擁護を繰り返したことで有名だが、世間的にはコメンテーターといわれている。
そういうあまり愉快でないニュースを聞いていたところ、17日放送のTHE MANZAIでのウーマンラッシュアワーがネットで話題になっていたので、その動画を観た。
検索すれば動画に行きつくだろうが、不自然に削除されたとの話もある。
動画を観なくてもネットのニュースサイト・リテラが文字に起こしてくれているので以下に紹介する。
ウーマンラッシュアワーが『THE MANZAI』で怒涛の政治批判連発!
原発、沖縄基地問題、コメンテーター芸人への皮肉も――
まず、村本は、初っ端から「ニュースのコメンテーターやってるのも吉本の芸人」「ニュースを読むのも芸人、犯罪を犯してニュースに出るのも芸人ですね!」と言い、所属する吉本を含めた芸人の不祥事・スキャンダルを立てつづけに紹介。まあ、ここまではナイツや爆笑問題といった時事ネタ系漫才コンビも話のタネに使うものだ。
だが、続いてもちだしたネタは、なんと原発。まず、村本は「福井県出身なんですよ」「よかったらきょうは福井県の場所だけでも覚えて帰って下さい。いいですか? 北朝鮮の向かい側!」と言うと、相方の中川パラダイスとこんな掛け合いをはじめる。
村本「福井県の大飯町、知っていますか? 大飯原発がある大飯町です」
中川「あー、ニュースであるよねー」
村本「原発の町、大飯町です。大飯町の隣は高浜町・高浜原発。その隣は美浜町・美浜原発。その隣は敦賀のもんじゅ。小さい地域に原発が4基あるんです!! しかし、大飯町には夜の7時以降にやっている店がないんです! 夜の7時になったら町が真っ暗になるんです! これだけ言わせてください! 電気はどこへゆく〜!!!」
漫才がはじまって早々にぶっ込んできたのが、テレビタブーである原発ネタ。しかも、村本の超高速かつ「立て板に水」の語り口の迫力もあって、観覧席も大爆笑だ。
しかし、ここからがすごかった。「福井に住ませてください」という中川に、福井に「愛」をもっているか否か次々に村本が質問を浴びせ、最終的に「ようこそ福井へ!」と歓迎する。そのスタイルをほかの土地にも当てはめてゆくのだが、福井につづいて東京を俎上に載せて小池百合子を「自分ファースト」と揶揄したかと思えば、次にテーマにしたのは、沖縄だった。
沖縄への基地押し付け、思いやり予算、対米追従も批判
彼らの漫才の命でもあるリズム感、スピード感を伝えきれないことの野暮さは百も承知だが、ぜひ見逃した人にも知ってもらいたいので、以下に書き起こしたい。
村本「現在、沖縄が抱えている問題は?」
中川「米軍基地の辺野古移設問題」
村本「あとは?」
中川「高江のヘリパッド問題」
村本「それらは沖縄だけの問題か?」
中川「いや日本全体の問題」
村本「東京でおこなわれるオリンピックは?」
中川「日本全体が盛り上がる」
村本「沖縄の基地問題は?」
中川「沖縄だけに押し付ける」
村本「楽しいことは?」
中川「日本全体のことにして」
村本「面倒臭いことは?」
中川「見て見ぬふりをする」
村本「在日米軍に払っている金額は?」
中川「9465億円」
村本「そういった予算は何という?」
中川「思いやり予算」
村本「アメリカに思いやりをもつ前に──」
中川「沖縄に思いやりをもて!!!」
一気呵成に畳みかけられてゆく、事実と正論。次に取り上げたのは、熊本だ。ここでふたりはいまなお仮設住宅に暮らしている人が熊本で4万7000人、東北では8万2000人もいること、一方で新国立競技場の建設費が1500億円もかかることを掛け合い、「国民はオリンピックが見たいんじゃなくて」「自分の家で安心してオリンピックが見たいだけ」「だから豪華な競技場建てる前に」「被災地に家を建てろ!!!」と展開したのである。
さらに、次にぶち込んだのはアメリカと日本の関係だ。
村本「現在アメリカといちばん仲がいい国は?」
中川「日本」
村本「その仲がいい国は何をしてくれる?」
中川「たくさんミサイルを買ってくれる」
村本「あとは?」
中川「たくさん戦闘機を買ってくれる」
村本「あとは?」
中川「たくさん軍艦を買ってくれる」
村本「それはもう仲がいい国ではなくて──」
中川「都合のいい国!!!」
そして、極めつきが、この応酬だ。
村本「現在日本が抱えている問題は?」
中川「被災地の復興問題」
村本「あとは?」
中川「原発問題」
村本「あとは?」
中川「沖縄の基地問題」
村本「あとは?」
中川「北朝鮮のミサイル問題」
村本「でも結局ニュースになっているのは?」
中川「議員の暴言」
村本「あとは?」
中川「議員の不倫」
村本「あとは?」
中川「芸能人の不倫」
村本「それはほんとうに大事なニュースか?」
中川「いや表面的な問題」
村本「でもなぜそれがニュースになる?」
中川「数字が取れるから」
村本「なぜ数字が取れる?」
中川「それを見たい人がたくさんいるから」
村本「だからほんとうに危機を感じないといけないのは?」
中川「被災地の問題よりも」
村本「原発問題よりも」
中川「基地の問題よりも」
村本「北朝鮮問題よりも」
中川「国民の意識の低さ!!!」
「政治ネタはNG」という空気が蔓延するテレビ界に迎合せず、しかもきっちりと「話芸」というかたちに落としこんだその技量は素晴らしいものだ。
そして、印象的だったのは、ネタを終えた村本の一言だ。番組のエンディングで流れた映像では、ステージ袖の村本は「ただコメンテーターで終わる芸人といっしょにしないでほしい」とカメラの前で述べた。
もしかすると今後、テレビ界には村本は使いづらいという空気が流れるかもしれないが、視聴者は彼らの笑いにビビットに反応したということをよく覚えていてほしい。視聴者が見たいものは、予定調和のコメントでも、ましてや権力の犬となった芸人ではないのだ。(要旨引用おわり)
お笑いのネタのことであるから大層に評価するのが良いのかどうかということもあるが、私としては「その志や好し」と思う。
権威あるものを皮肉るというのでは、ソ連時代のロシアンジョークが有名だが、この漫才でウーマンラッシュアワーが干されるようなことが起これば、この国は最低の非民主主義国家といわれることだろう。
おまけで想田和弘さんのツイート・・・
話題になってるウーマンラッシュアワーの漫才、とても良くできていますね。アメリカではこのレベルの政治風刺コメディが、毎日のごとく多くのチャンネルで繰り出されています。逆に言うと日本にはほとんどないからこの漫才が目立つ。望月記者が日本で目立ってしまうことと、同様の問題を感じます。
追伸 動画のアドレスです。
blob:https://www.dailymotion.com/fdde7c8e-dc79-40b3-8d16-6bdc84ff2ca7
追伸 動画のアドレスです。
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この動画はYou Tubeにリンクしてあったが、再生できなくなった。
返信削除You Tubeでウーマンラッシュアワーと検索すると、数々のテレビ画面が出てくるのに、このケースだけが削除されたようだ。
表向きはテレビ映像だからというのかもしれないが、明らかに狙い撃ちで削除されている。
これが現代日本国の自由と民主主義の現状だ。
ウーマンの漫才以上に怖ろしくはないだろうか。
昨日、長谷やんのブログでウーマンラッシュアワーの動画を見て大笑いしました。今日は削除されて見えませんでした。今まで日本は、中国や北朝鮮やロシアと違って、自由と民主主義がある国と思っていましたが、これは危ない、恐ろしい、危険な状態です。森友学園のコントをすれば、大受けしますが、すぐに削除されると思います。日本は中国や北朝鮮とは違うと思っていた考えを改めます。
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