テレビではグルメ紹介番組が花盛りで、女子レポーターが所かまわず盛んに「甘~い」を連発する。男子お笑い芸人も右に同じ。
私は例えば懐中汁粉(最中みたいな即席汁粉)のような甘いものも大好きだが、言っておくが甘いと美味いは別のカテゴリーである。
なので、連発されるあの「甘~い」には心底うんざりしている。
差別や偏見でいうのではないが、貧しい田舎でただただ甘味が御馳走だった時代に発する単語で食べ物を形容して良しとするのは食べ物への冒涜だと私は思う。
そして残念ながらテレビの影響力はやたらに大きなものだから、各種の生産者までもが「甘いことが最上の価値なのだ」と誤解と忖度を深めている。
そこで蜜柑だが、大型スーパーには、これもやたらに甘いだけの蜜柑が並んでいる。
時々愛媛が故郷の友人から戴く素朴な蜜柑は適度に(実は相当)酸っぱいのだが、これが実に美味い。柑橘類はこうでなければ。
以前ブログ友達から本物の柚子を戴いたことがあるが、わが家にも小ぶりの「花柚子」の小さな木がある。本来の柚子よりもさらに酸っぱい気がする。
花柚子はほんとうの柚子とは全くの別種で、香りも少々落ちると言われているが、結構いけると思っている。
わが家では冬至の柚子湯に使うとともに、その皮を料理に使っている。
柚子の皮を入れるとほとんどの料理が上品にグレードアップする。
残ったものはジャム(マーマレード?)にして柚子茶としても楽しんでいる。
日曜日に孫の夏ちゃんがやってきた。
夏ちゃんの目的はわが家の花柚子である。
夏ちゃんはこれを温州蜜柑のように皮をむいて実をパクパクと食べる。
これには我々祖父母も驚いている。
昔、亡くなった母親が「蜜柑が黄色くなると医者が青くなる」とよく言っていた。
ビタミンCは万能薬だという言い伝えである。
好き嫌いの多い夏ちゃんだが、花柚子のおかげで元気である。
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