一昨日の記事のとおり、リンボウ先生は「本を読んで何かの役に立つと思うな」「本は買って読め」と説示されていた。
12月5日の赤旗文芸欄に『9条を守るは趣味とう岩田正心残して身罷(みまか)る十一月三日』千葉市 園田昭夫 という短歌があった。
それに先立つ朝日歌壇(朝日新聞)にも岩田正を追悼する歌がいくつかあった。
恥かしながら私は、短歌というと与謝野晶子、石川啄木、河野裕子、永田和宏、俵万智ぐらいしか知らなかった。それもほんの上っ面だけ。
そこでネットを検索してみると、歌人 馬場あき子の夫君とあった。
馬場あき子が朝日歌壇の選者でもある著名な歌人であることぐらいは知っていたが、夫君岩田正は知らなかった。
なので、近所の結構大きな書店に行ってみたが、俳句・短歌のコーナーは、夏井いつきさんの俳句以外はサラリーマン川柳だとかシルバー川柳の類のものしか置かれていなかった。
これが平均的な世間なのだろうか。
とすると夏井いつきさんはすごいと思う。
しょうがないのでAmazonを開いてみると、こちらには、中古本の歌集というのは嘘みたいな安い値段で売られていた。本代というよりも郵送代というようなものが多かった。
岩田正歌集『視野よぎる』や『背後の川』は本体定価二千数百円でしかもどちらもサイン本だった。
購入後、置いてある本を見て妻が「えらい(高い)本を買ったんやな」と驚いたが、実は嘘のような値段であった。
くらぶればお化け・暗闇怖くない人間就中凡庸こはい
顔口になして叫べり不安なるムンクの男究極のわれ
「かうしては居れずと思ひ」啄木は立ちたりわれもあやかり立たむ
イヴ・モンタン老いて恋人持ちしとふ「枯葉」は陽気さびしく陽気
私には歌の良し悪しはあまり判らないが、結構楽しい読書の日々だった。
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