「ライブだったからか、NHKが26日(金)深夜に放送した討論番組「解説スタジアム」は衝撃だった」という。
NHKの解説委員7人が、「どこに向かう 日本の原子力政策」というタイトルで議論したのだが、日本の原発政策のデタラメと行き詰まりを赤裸々に語っているのだ・・と。
残念ながら私は観ていなかったので、日刊ゲンダイデジタルから以下のとおり一部を引用する。
■日本の原発政策を完全否定
ある解説委員は、「アメリカは、地震の多い西海岸には設置しないようにしている。日本は地震、津波、火山の原発リスク3原則が揃っている。原発に依存するのは問題だ」と日本の国土は原発に適さないと指摘。
再稼働が進んでいることについても、「規制委員会が慎重に審査しているとしているが、審査の基準が甘い。アメリカの基準には周辺住民の避難計画も入っているのに、日本は自治体に丸投げだ。こんな甘い基準はない。安易な再稼働は認めるべきじゃない」と正面から批判した。
「規制委員会は(再稼働にお墨付きを与えておきながら)『安全性を保障するものではない』としている。
だったら地元住民はどうすればいいのか」「政府は責任を取ると口にしているが、(事故が起きた時)どうやって責任を取るのか。
カネを渡せば責任を取ったことになるのか。
災害関連死も起きている。
責任を取れないのに、責任を取ると強弁することが問題だ」との批判も。
さらに「もんじゅ」を中核とする核燃料サイクルについても、「破綻している」「やめるべきだ」とバッサリ斬り捨てた。
そして、最後に解説委員長が「福島原発事故では、いまだに9万人近い方が避難生活を強いられている。安全神話は完全に否定され、事故を起こすと、いかに手に負えないかを知ることになった」と締めくくっている。
「政治、経済、国際、科学……とさまざまな専門分野を持つ解説委員が、原発の危険性、核燃料サイクルの破綻、原発の高コスト、最終処分場が決まらないこと、さらに政府と官僚の無責任さなど、問題点を次々に明らかにする議論に引き込まれた。日本の原発政策がいかに矛盾しているか浮き彫りにしてくれた。よくぞ、放送したと思いました」との声も載せている。
深夜23時55分~午前0時49分という視聴者が少ない時間帯だったから、自由に討論ができたのだろうか。
あるいは、上層部は腐っていても番組を作る現場はジャーナリズムを失っていないのかも知れない。
本来なら参院選の前に放送すべきだったのだろうが、いったん再稼働した高浜原発が裁判によって止まり、鹿児島県知事が川内原発の停止を九州電力に要請したタイミングで放送した意味は大きい・・とも。
■「即時ゼロ」でも困らない
安倍首相さえ決断すれば、日本は簡単に「原発即時ゼロ」を実現できる。原発を全面的に廃止しても、まったく困らない。
この5年間、実質「原発ゼロ」でやってきたが、弊害はひとつもなかった。
「3.11の後、原子力ムラは『原発を稼働させないと電力が不足する』『突然、停電したら医療機器がストップして死者が続出する』と散々、国民を脅してきた。
でも、原発を稼働させなくても電力は十分に足りた。
国民の節電意識が進み、省電力家電が増えたからだ。
これから人口が減る日本は、さらに電力需要が減るだろう。
その後、原子力ムラは『原発を稼働させないと電力料金が上がる』と新たな理屈を持ち出したが、その主張も説得力を失っている。
原油価格が下落したために、火力発電のコストが大幅に下がっているからだ。
それに、NHKの解説委員が指摘した通り、『原発はコストが安い』という電力会社の言い分にはマヤカシがある。
確かに、短期的なランニングコストは安いが、建設から廃炉までトータルで考えたら、原発のコストは高い。
イギリスでは、原発の建設に対して金融機関が融資しなくなっているほどだ」とも述べている。
そもそも、いまだに福島原発事故の原因さえ解明されず、いつ廃炉できるのかメドさえ立っていないのに、危険な原発を再稼働させようという発想が間違っている。
福島原発は100年後も廃炉できないのではないか。
それでも、安倍政権と原子力ムラが世界を騙し、危険な原発ビジネスに血道を上げているのは、カネになるからだ。
その正体がバクロされれば、安倍政権は窮地に陥り、さらに「原発即時ゼロ」に追い込まれていくだろう。
NHKの解説委員長が番組の最後に語ったように、原発は人間の手に負えないモンスターである。
NHKが正面切って批判したことで、原発という悪魔の退治が始まるのか。政府のデタラメがことごとく明らかになった以上、それを決めるのは世論の盛り上がりなのである・・と、記事は書いている。
再放送があるとすれば是非とも視聴したいものだ。
日刊ゲンダイの「反安倍」「アンチ自民」「アンチ大手マスコミ」世間を斜め切りにする報道姿勢が面白くネットの「お気に入り」に入れて毎日読んでいます。
返信削除そういう手があったのですね。
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