12日付け朝日歌壇にこういう歌があった・・・
パセリとはみどりの羊息殺しサンドイッチが消えるのを待つ (神奈川県)九螺ささら
この方の歌は朝日歌壇で度々お目にかかるが、いつも一種独特の風を感じる。極めて個性的でムッムッと引き付けられる。
それにしても、それにしても今回の歌は難しい。
パセリがみどりの羊に見えるのはいいとして(それでも結構な想像力だと思うが)、その上にお皿を牧場と見れば大岩のごとき邪魔者のサンドイッチの消えるのを羊が待っているのか、そういう風景が展開されるようにと食事をする作者が待っているのか。
私などはパセリをムシャムシャと食べるのが好きだから、そして好きなものは最後に食べたいジョガベン派だから、羊のようなパセリを食べてやろうと、サンドイッチの消えるのを待っているのか。
歌心など全くない夫婦でああでもないこうでもないと語りあった。
それで結局、九螺ささら さんのブログを開けたら、(歌意説明)としてこうあった。
『キリスト教的な発想では生け贄にされる羊が、サンドイッチのお皿の上では毎回生き残り、サンドイッチが死んでいく(ヒトに喰われる
)のを息を殺して待っている、という、お皿の上の物語です』と。
で私は、「ああ、この方には付いていけない」と大きくため息をついた。
それにしても、こんなに深い感受性、現実と夢が絡み合う連想力、世の中にはそんな人がいて、それを感じて選んだ撰者がいる。
人の世の奥は深い。
今後はまるでパズルを楽しむようにこの方の歌とお付き合いをしていこうか。
門外漢のため、ささらさんが全くどのようなお方か存じあげないが、次のパズルの出題を待つことにしよう。
読者の皆さん、貴方はどのように思われましたか。この歌!
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