2016年6月23日木曜日

起請文

   先日、道路が少し変な渋滞をしていて「おかしいな」と思いながら運転していたら、道路の真ん中にアオサギの幼鳥が突っ立っていて、左右の自動車はそれを轢いてしまわないようノロノロ運転をしていたのだった。
 そのとき、すぐ道路わきの塀の上にカラスがいてそれを注視しているのが変に不気味だった。
 「もうすぐサギが跳ね飛ばされるぞ。そうしたら食べてやろう」という表情だと私は見た。
 カラスは嫌なやつである。
 だがカラスも可哀相なもので、嘘つきだらけの現代社会では、人間が嘘をつくたびにカラスが3羽死ぬという。

   息子ファミリーが熊野地方に遊びに行ってきたということで、熊野本宮大社の『熊野牛王神符』を土産だと言って私にくれた。
 落語の「三枚起請」のあの起請誓詞(別名おからすさん)である。
 この紙の裏面に書かれた起請文は真実の証で、もしこれを破るとすれば、熊野のカラスが3羽死に、本人は血を吐いて地獄に落ちる。

   安倍首相は「憲法改正は選挙の争点ではない」とおっしゃるが、国会では「自民党は憲法改正草案を決めている。次の国政選挙でお示しして行きたい」と答弁してきた。
 その改憲草案。9条2項を削除して「国防軍」を世界に派遣する。人権の各条項に「公益及び公の秩序」をかぶせて制約する。権力を縛る憲法を国民を縛る憲法に換骨奪胎するもの。
 憲法改正に着手しないなら安倍首相には起請文を入れてもらいたいものだ。
 反対に、私は神符に誓って言おう。自公やその追随勢力で3分の2をとったなら彼らは憲法改正に必ず動き出す。

 過去2回の国政選挙で安倍首相は、経済(アベノミクス)一本を争点だと言ってきた。
 しかし、2013年参院選挙後は秘密保護法、14年総選挙後は戦争法=安保法制を強行した。
 選挙の争点は安倍首相が決めるものではない。マスコミに決めてもらうものでもない。
 誓って言おう、参議院議員選挙の争点の大きな柱の一つは憲法を守るかどうかだ。

2 件のコメント:

  1. 仏の顔も三度まで、と言いますが三度目を許したら神も仏もない世の中になってしまいます。何としても阻止しなければ。

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  2.  「政府は嘘をつくものです。ですから歴史は、偽りを理解し、政府が言うことを鵜呑みにせず判断するためにあるのです」ハワード・ジン(歴史学者)

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