国境なき記者団が毎年「報道の自由度ランキング」を発表しているが、2016の日本国は180か国中72位である。
問題は、72位ということよりも、日本国民が72位という現実を感じていないことの方かもしれない。
少なくとも香港の市民は中国の176位を認識していると思う。
半藤一利さんの昭和史の本にソ連侵攻後の満州のことが書いてある。
滿洲では100万人を超える棄民があった。
軍は、「関東軍の任務は戦闘であり、治安の不良は責任ではない」と言って自分たちだけ撤退した・・・と。
そして、内地へ帰りたいという人が殺到するのを避け、列車をわざと駅へ着けないで離れた場所の引き込み線で何時でも発車できるようにしておいて、関係者だけに暗号のように知らせたことを、半藤氏は組織的犯罪であったと記述している。
さらには、関東軍総司令官の夫人が平壌から重爆撃機に乗って帰国したことに関して、実は他の関東軍要人の夫人や財宝も多く搭載していた。なので、知った地上員が怒って撃墜すべく発砲した・・・とも。
こんな重要な史実も国民にはほとんど知らされてこなかった。
さてさて、私は以前、航空自衛隊の幹部のお方と近所づきあいをしていたことがあるが、その折に一杯飲みながら聞いた話。
1976年(昭和51年)、冷戦下のソ連からミグ戦闘機に乗った軍人が函館空港に亡命してきた事件がある。
米日にとっては亡命軍人よりもミグ戦闘機が貴重だった時代。
ソ連がミグ戦闘機を取り返しに来る、あるいは機密保全のために機体の破壊に来ると考えられた。
そして、青森の三沢基地に居られた航空自衛隊の幹部たちは、その方を含めて、即家族を関西等それぞれの実家に帰されたそうである。
実はそうだったんだと背に汗を感じながら話を聴いた。
そのとき、自分たち自衛隊の家族は避難させたが、北方の基地周辺の国民は見捨てられていた・・というのが事実で真実。
この国では、一貫して「由らしむべし知らしむべからず」なのだと再確認した次第。
芸能人の私生活が微に入り細に渡り報じられたとしても、否、そうだからこそ真実は隠されているに違いないと考える感性こそが大事だろう。
安倍政権は、選挙に際しては景気や社会保障をいうが、ほんとうに準備しているのは憲法改悪、9条廃止である。
私と同年代の方はミグ戦闘機事件をご存知だと思います。
返信削除でも、自衛隊幹部が家族を避難させながら、基地周辺の国民には何も知らさなかった事実をご存知だったでしょうか。
フクシマのときにも「直ちに影響はない」と繰り返されたとおり、こういう情報操作は構造的なものでしょう。
そういうことを肝に銘じたうえでメディアに向かうことが大事だと思っています。