2024年5月17日金曜日

食の保守性

   インバウンドの中国人がラーメン店に行列をなしていることは以前に書いたが、それは名前こそラーメンではあるが全く中華料理を飛び越えた、あえて言えば異国料理なのだろう。
 
 だいたい、もう大昔になるが、アベ地下で古潭のラーメンを初めて食べた日は私も驚いた。いわゆる札幌ラーメンは新ジャンルに思えた(だいぶ昔のことだが)。
 だから、「中国人がラーメン店とは」という言葉遊びはおもしろいが、この現象には納得している。

 ところが今日の本題。・・いわゆる本場風のカレー専門店の店の前に、如何にもインド大陸周辺と想像できる人々が並んでいるのには少し驚いた。
 「わざわざ海外旅行で日本にやってきてカレーですか?」と尋ねて見たかったが、きっと和食などでは物足りないのだろう。
 それにインド大陸は西ヨーロッパよりも広いのだから、インドだとかインド人と一括りにして考える我々の方が間違っているのかもしれない。

 それにしても、それほど食の嗜好というものは保守的なものなのかもしれない。
 私だって、奈良の中心街だからといって茶粥を食べるでなく、海なし県のど真ん中で日本海を売りにしているお鮨を食べて満足したりしている。

 昔フランスとイタリアの労働組合の代表を近畿一円の職場などに案内したことがある。
 夜には毎日その地の当方の組合員との交流会となったが、何日かして、フランスの代表は「ビールでなくワインを飲みたい」と言ったし、イタリアの代表は懇願するように「肉を食べたい」と言ったのを思い出した。

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