2024年5月5日日曜日

雛を拾わないで

 5月5日は立夏。10日からは愛鳥週間で、季節の話題。   
 カラスの子育て中は気をつけろと言われるが、昔、東京に出張したときに、繁華な飯田橋の交差点でカラスが低空飛行をしてきて威嚇されたことがある。近くの電柱に巣を作っていたのに、私が巣に向かう感じで陸橋を登っていたからで、ここのカラスはテレビのニュースにもなった。 

 さて、5月4日は家の近くで朝からカラスが異常にガーガー騒いでいたが気にも留めずに買い物に出かけた。そして帰ってくると、隣家の玄関先に小振りのカラスがいて、アレッと見ると電線に2羽のカラスが異常に騒いでいた。
 ああ、十分飛べない雛にこちらに飛び立つよう促しているのだなと思ったが、見ると親ガラスは明らかに私に向かっていた。
 異常にガーガー鳴くと同時に、電線を、これも異常にドラミングして音を立てて、さらには何回か私の頭上を騒ぎながら旋回し、さらにさらに、私が移動すると追いかけるようにやってきた。
 明らかに、雛に手を出すな! 変なことをすると許さないぞ! と私を威嚇している。カラス天狗の面容だ。あのクチバシで突かれたら大怪我まちがいない。

 私は、怖いからというよりも、愛鳥週間(バードウイーク5/10~5/16)の頃は雛が巣から落ちることがあり、その場合、「雛は拾わないで!」が鉄則だから、私は素知らぬ顔で移動した。
 その内に、大騒ぎの声は他所へ移ったから、雛は少しずつ移動したようだ。

 ヒッチコックの映画「鳥」でもない、たった1羽のカラスの雛騒ぎだが、子を思う母というか、カラスも人間に対して面と向かってくるのはけっこう恐ろしい。
 重ねて言うがこれからバードウイーク前後、「雛は拾わないで!」が正しいらしい。
 万が一拾ってしまうと人間の匂いがついて親鳥は子育てを止めるという。
 「猫に食われたらどうする」という反論もあるかもしれないが、「それも自然だ」というのが野鳥の会などの見解である。 

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